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K-455. ハイドン・コレギウム第30回定期演奏会。1月11日、めぐろバーシモン大ホール

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一見したところミサ曲とあるのでハイドンのミサ曲をやるための団体かと勘違いして入場。日本は教会が弱いせいかクラシック音楽の中の宗教音楽はほとんど機会がないのであっても、それはそれで有意義なことではあるが、この演奏会は直前までチケットが残っていて回ってきたものであるが、プログラムの中身を見て全て存命の若手作曲家なので驚いてその意欲的選曲に意義はない。

まずハイドン・コレギウム・シンガーズによるダン・フォレストという1978年生まれのアメリカの若手の「アバイデ」という作品は鎮魂曲のような作品で単一楽章だが調性が主体となるが、ピアノの前奏などは無調の領域の要素も出る。合唱部分は調性が主体になるので容易とみる。アメリカの様式なのでコープランドやバーバーのような平易な調性感がある。今回は最後に「カメラータ・ヌリア」と言う弦楽合奏の伴奏を頼んでいるので伴奏もそれに編曲しても良い。15分。

2曲目はムジコムニアによる1971年生まれの信長貴富のピアノ伴奏つき合唱曲3曲。佐藤真の「大地讃頌」がモデルらしいがそんなに壮大で劇的に聴こえるわけではない。毎年行われる合唱コンクールの定番の曲になるとは言えなくもない。谷川俊太郎の「言葉は」は音高が低くなるとソプラノが聴こえにくくなるのは合唱団の癖らしい。配置転換して第二曲の江村美紀の「ボクはウタ」はポピュリステイックなリズム。典型的な合唱指揮法。どうしてそれぞれの女性のグループに分けて中に少しの男性を配置するのかわからない。空間音楽を想定したのではないことは確かである。3曲目の高田敏子の「夕焼け小焼け」の旋律の頭で押し込んで後半は変える。なるほど、パロディー的な始まり方。主軸のソプラノは以前として弱い。ここまで前半は45分。


後半はこの2つの合唱団とカメラータ・ユリアの合同演奏。1978年生まれのオラ・イェイロの「サンライズ・ミサ」。最初別の標題音楽的な楽曲として創作して後からミサの通常文を付けた中世の旋法フーガのポリフォニー的な作曲法。キリエの「球体」はルネッサンスの様式のような先祖返りの楽章。クラスター的旋法はグレツキの3つの古いスタイルの楽曲を思わせる。弦は9人であるがすべてがソリスティッシュらしい。合唱を並べ替え2曲目のグローリアは「日の出」はアルヴォ・ベルトのような東北欧主義のような地味な風景。教会調内の転調。ポリフォニックにはできていない。また転調。ピッチカートによるポップ調のリズム。3曲目のクレードは「都市」。キラールのようなリズムの音の重ね合わせの連続はグレツキの様式にも再び近づく。アカペラも来るがユニゾンも多く比較的歌いやすい。途中チェロ1本による伴奏。次に2本。4曲目はサンクトゥス、べネディクトゥス、アニュス・デイの連続は「自己と背景」。再び旋法に戻る。普通の構成とオルディナリオは特に目立ったことは起こらない。再びゴスペル的転調とアカペラ。ヴァイオリン1本の伴奏。短調3和音から長調3和音への移り変わり。35分。アンコールはサンクトゥスから最後までのピアノ伴奏との合同演奏。伴奏系はかなり跳躍させて編曲している。

 作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 オペラ∩声楽曲


日付:2025年01月12日 New!

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