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5/5、新国立劇場のオペラ公演、ツィンマーマン『軍人たち』を観てきました。このプロダクションは新製作というわけではなく、ドレスデン・ザクセン州立劇場のために製作されたコンセプトに基づいたアムステルダム・ネザーランド･オペラからのレンタル公園というのもながら、初演当時から上演の困難さが指摘されている作品だけに、果たして新国立劇場が無事上演できるのかという点も話題となっていました。

作品のあらすじや配役は以前の日記でアップしてありますのでここでは省略させていただくとして、結果として上演は大成功。オケ、歌手陣どちらも大健闘、演出も形が整っていたもののレンタルだけあって分かり易く、難解である現代オペラ特にツィンマーマンの作品としては分かり易く取っ付き易い舞台で予想以上に楽しめました。

舞台の状況は新国立劇場のHPにある画像を観ていただくと分かるのですが、黒を貴重としたボックス形の舞台を使い、背後の壁を開閉したり舞台自体を斜めにしたりして場面設定を表し、原色を使った衣装で人物の役柄(赤が軍人、黄色は貴族など)を暗示。これらが複合して舞台進行が分かり易くなっていたのには感心しました。
総勢30人の打楽器群はリハーサル室での演奏をスピーカーで会場に伝え、客席2階バルコニーに陣取ったジャズコンボも舞台に溶け込んだ演奏を聴かせていましたね。

音域の広い歌唱をキチンとこなした歌手陣や、舞台の動きを見事になした合唱団も素晴らしかったです。


カーテンコールで登場した若杉にブーイングが起きる場面もありましたが、どんなにマイナスに評価してもブーイングには当らない彼の努力には脱帽。それより、いつもより小さくしかも足元がややふらつき気味の若杉、年齢のせいでなく指揮による疲労がそこまで彼をやつれさせたかと思うと、それもまた拍手とブラボーで答えてあげたくなります。


もう一つ、気付かれない方もおられたようなので一言。
カーテンコール中、歌手陣が舞台中央に向って一時拍手をしていましたが、これは舞台中央にあるプロンプターに向ってなされたもの。プロンプターに対して歌手たちが自主的に拍手を贈る場面、新国立で初めてみました。

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