とっち〜(Totti+81)さん
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2007年05月05日 18時45分32秒
これは、作曲家/音楽家 Kan-no さんの秘話ですね(笑)。聴いてはいるだろうと思ってたけど、メインは上浪渡の名調子=『現代の音楽』だと思ってましたから。
『家庭音楽鑑賞』が原因だったのですか。やはりものすごい番組だったんだ(笑)。
しかし、記憶に残ってる内容が全然違いますね。コメント読んで、あまりの差に驚きました。一体全体、『家庭音楽鑑賞』ってどんな番組だったんでしょうね(笑)。思うに、当時のNHK-FMのクラシック看板番組が総力を結集した、モザイク番組だったのではないでしょうか(笑)。
タイトルのつけようがないので『家庭音楽鑑賞』に落ち着いたとか。もしくは誰が何をやっても良い、枠だけある番組だったのかも(笑)。
聴き比べは何かの番組でやってた記憶が微かにあります。おそらく『家庭音楽鑑賞』だったんですね。実に恐るべき番組ですね。
僕は大学時代に数曲程度は聴き比べたことがありました。確かに全然違いました。別の曲ではないかと思う程でした。
上浪さんは愛知県芸の教授だったのですか。NHKのプロデューサー兼ディレクタ兼解説者だと思ってました。
ジャチント・シェルシは、去年だったかに初めて知った作曲家なんですよ。高橋アキの "The Piano Works 3" を買いましたがまだ聴き込んでません。アキさんは学生の時、5回は生で聴いてます。クールで理知的でカッコいいピアニストでした。今度聴きに行くつもりでいます。チケット手に入れてませんが。(汗;)
2007年05月05日 20時53分28秒
ドイツのFMでも日本の『家庭音楽鑑賞』に相当する番組が毎日朝9時からあります。それぞれの地方の放送局がいろいろな音楽をテーマにしてやってます。現代音楽の週もあれば、チェコのベンダー家系の作曲家の週もあります。物凄くためになりますよ。今野NHK・FMは何やってんだろう?
高橋アキは有名ですが僕は一回も生はないですねScelsiは死んだ年にダルムシュタットでフェルドマンと並んで特集してました。自分でもちょっとピアノでコンサート出弾いたことはありますね。作曲のツェンダークラスはScelsiのアナリーゼも集中してやりました。何でScelsiが有名になったのかというとISCMのケルン大会でオケの曲をほとんどツェンダーが初演したのですね。プロ編成にも関わったとか?要するに仕掛けの張本人だったわけです。
2007年05月06日 20時48分21秒
そのドイツの『家庭音楽鑑賞』は(こちらが本家かもしれませんが)かなりすごそうですね。昔の NHK-FM は頑張ってたんだ。
Kan-no さん書いておられたように、ドイツは地方の放送局の力がすごいのなら、ものすごい番組でしょうね。確かに70年代にも、南西ドイツ放送とかその交響楽団とか、ローカルな名前が頻繁に出ていたように記憶します。やはり国の成り立ちでしょうね。
ここ10年ぐらいの NHK-FM 知らないんですよ。朝のバロック番組が中途半端になってるのを一度聴いたことがあるのですが。皆川さんと服部さんは個性が強かったんだなぁ、と思いました。聴いてる頃は当たり前だったんですよ。
『現代の音楽』はやってるのではないかなぁ?? 昨晩調べたら、上浪さん、2003年に亡くなってるようなので、番組名変わってるかもしれませんね。そそ、同じ年に石井真木さんが亡くなっておられました。こちらは記事を見て亡くなったことは知ってましたが。
ハンス・ツェンダーですか。彼はそういう力を持っているのですか。
誰を選ぶかが問題とは思いますが、知られざる重要作家を紹介できるのは良いと思います。
モートン・フェルドマンは70年代に上浪渉さんが紹介してましたね。確かアメリカの作曲家をいろいろ紹介していた時で、大男のくせに繊細極まりない音を出すとか、ではなかったかなぁ?あいまいですが。
フェルドマンは去年買ったCD1枚だけ持ってるんで今聴こうとしたら、中のディスクがありません。(爆)●〜* 探しておきます。時々(頻繁に?)あるんですよ。違うのが入ってたり。この作曲家、こんな曲を作ってたのか!とか。(^^; 恥ずかしい。
2007年05月07日 02時17分07秒
2007年05月07日 00時28分53秒
幼稚ですか(笑)。来日するクラシックの大物のプログラムって、なんか変ですよね。食指が動かないし。ま、たまには良いですよ、たまには。
凝った感じ、考え抜かれた印象が全くないんですよ、少なくとも私には。かといって軽いセンスであるわけでもなし。プロモーターが悪いんですかね?元をとらなくちゃならないし。実際、名前だけで客を呼べるんなら、曲の選びよう、プログラムの組み立てようもあると思うんですが。
そういえば、70年代と比べると、チケットが高いのはともかく、S席が多いのに驚きましたね。最前列なんて昔はA席でしたし。S席なんて前寄りの真ん中あたりに少しだけ。B席でもSの隣だったら儲けもの。天井桟敷の格安席もないし(笑)。学生も払うんですかね、あんな値段の席を。数を観れませんよね。
ベルリン・フィルって僕はLP持ってないし、FMでも聴いた記憶がほとんどありません。カラヤンが大スターだった時代なんですけどね。現代曲の録音が無かったせいです。あってもウィーン古典派ぐらいでしょ。それはそれで良いんだけど、他に良い演奏あるし。
カール・ベームは持ってますよ。晩年でしたけど。たぶん、ベルクのオペラじゃなかったかな?「ヴォツェック」は持ってたんですよ。「ルルー」はなかったかなぁ?オケは南西ドイツかもしれない。今度見ておきます。シェーンベルクの「モーゼスとアーロン」は持ってるんですけど、多分ブーレーズで、もっとあとです。
困るのは、長いことステレオが壊れててLPの再生環境がないんですよ。何とかせねば。せっかくのLP資産が無駄になる。(^^;;
でも、最近の現代曲って、放送響でもできないんですか。ピックアップしたサブセットでやるんですね。現代曲はやっぱし難解なんですよ (笑)。いや演奏困難なだけか。
2007年05月09日 00時46分45秒
放送オケは最近になると若い人がどんどん入ってくるので契約のとき楽譜に書いてあるものは可能な限りやるように変更してるようです。ということはだんだんと放送響も追いついてきました。だめなのがベルリンフィル。未だにラッヘンマンやファニホーできないんですよ。ウエーベルンで間違うくらいだからあのオケはもうだめね。
2007年05月09日 06時56分10秒
ブライアン・ファーニホウも去年知った名前です。ちょっと勉強を始めていましたので。超絶技巧だったか演奏困難な曲だったかのタームでグーグルしていて、まずソラブジが引っかかったんです。次にマイケル・フィニスィーと共にファーニホウが引っかかってきました。『新しい複雑性』とか言われているそうですね。
残念ながらまだ曲を聴いてないんですよ。でも譜例がいくつかのページに置いてあって、1小節に入ってる音符の多さに頭が痛くなりました。ピアノ曲だったんですけどね。小説線がどこにあるのか探しましたから。無かったのかもしれませんが。見る分には図形楽譜の方が癒し効果があって好きです(笑)。
こんなのを弾くなんて、現代音楽の演奏者は過酷ですね。ソロや小編成なら超絶技巧の持ち主が何人かいれば何とかなるでしょうけど、オケではメンツが多いからそんなに揃わないでしょう。バランスも問題になってくるし。
でも、音数の圧倒的に少なく短いウェーベルンで間違うようでは、同情の余地はありませんね。放送響に期待ですね。
2007年05月13日 16時23分27秒
そのブライアン・ファーニホウやソラブジ、マイケル・フィニスィーの記事書いたのはあの野田憲太郎君よ。ファニホーは初めて楽譜を見るとびっくりしますがあれでも一応演奏可能な曲です。事実ドイツの音楽学生でもファニホーは弾けます。あのピアノ曲は難解な音楽には入らないですね。Xenakisの方が演奏が不可能なので遥かに難しいです。それよりもCerceri・d´Invezioneが非常に難解です。あとはUnity・Capsuleも超難解です。これらの曲は普通聞いても音の固まりで何やっているかはわかりません。SWRのオケは1986年にCerceri・d´Invezione全7曲を初演しましたが、BPやWPだったら難しすぎてできないでしょう。こういうのは完全に現代音楽の専門家じゃないと無理です。
2007年05月13日 17時11分29秒
次々に面白い話が出てきますね。いや、仕事もしなくちゃ(笑)。
昨年、どんどん最近の現音動向を調べていく中で、野田憲太郎という名前は出てきたんですよ。ちょっと過激だけど面白い若い男(20代?)だなと思ってました。このブログのコメントか記事でそのうち名前を出そうと思ってたんです。
あのへんの記事も書いてたんですか。
Wikipedia(J) について言えば、彼はファーニホウなんかより若い世代のマニアックとも言える作曲家たちについて書いてるのかと思ってました。対象が若い世代になればなるほどバイアスがかかっている記事で、いくら Wikipedia(J) でもこれはちょっとと思ってたんですけど(だいたい修正できる人間がいない)、記事を書くのを閉め出されたようです。2ch だったかな、現音の掲示板で話題になってました。
彼、一部で嫌われてるフシがあるけど、Wiki 以外も含めて、僕はこれだけ書いたことを評価してます。
他の分野がみすぼらしいんですよ。単純に Wikipedia(J) で比較すると、モダンアート、現代詩、現代文学、どれもみすぼらしい。こんな作家が載ってないのかとか、この巨匠にしてこの程度の分量かと驚くことがしばしばあります。現音の項目は充実してるんですよ、客観性はともかく。他の分野では、建築が充実してますが、これは建築家周辺に良い雑誌や編集者があるなど、環境が良いのと、建築家自身の意識が高いのだと思ってます。
野田憲太郎が現代音楽の日本語記事を書き散らして、情報源を増大させたことは、現代音楽の情宣効果は間違いなくあります。少なくとも私には効果があった。
ファーニホウのピアノ曲は演奏困難ではないのですか。
Unity Capsule の譜例を4つほど拾ってきました。難しいのだろうという以上のことは分かりませんでした。
「普通聞いても音の固まりで何やっているかはわかりません」とは凄まじいですね。もう少しマトモな曲で耳を慣らしてから挑戦してみます。
2007年05月13日 18時01分17秒
野田君はメインのWikipediaと2CHを追い出されてからはちょっと活動が少なくなってきましたね。彼のピアノの演奏は僕の友達が聞いたそうですがどんな難曲も弾くので凄いそうです。Ferneyhoughも全部弾いたとか?ソブラジなんかも実演で日本に紹介したのは彼ですね。ただ僕のようにかなりの批評癖があるので嫌われているところからは嫌われているようです。でも彼の博識は僕も買ってはいますね。でも其の文体が百科事典にふさわしいかどうかは別問題ですが偏っていなくもないですね。ぼくも彼とは電話で何回か直接話したことがあります。かなり年の差があるので彼は遠慮がちにしゃべっているようですが、いいたいことは年を気にしないでどんどん言うべきでしょうね。間違っていたらちゃんと直すからここでは良いのです。彼がWikipedia追い出されるときに擁護したのですが、彼らは理論的よりも感情的になっていてもうだめでしたね。
現代音楽のWikiは野田君ほど多くはないけど僕もかなり書き足しました。演奏不可能の作品とかポスト・ファニホーなんかは僕が始めたのですが、彼がやたらと付け足してとんでもなく長くなりました。
Ferneyhoughの作品はやさしくはないけど、Xenakisとちがって一応演奏可能です。彼の作品はやたらと高密度なのですよ。あの数分の作品にマーラーの交響曲一曲分の内容が入っていると思えばいいです。
それはそうと今日もFMで昨日の中国の作曲家の実況生中継を4時からしますね。昨日に続けて後で書いておきます。
2007年05月13日 19時02分50秒
先週は面白くもない作業に追われて、2日間仕事場近くのホテルに泊まりました。さすがにインターネット・カフェは辛いのです(笑)。
さて、いきさつなどがはっきりして、野田憲太郎氏への興味が強くなりました。つい『君』付けで呼びたくなるほどの若さの暴走(笑)が頼もしいですし。彼ぐらいの人間が言いたいこと言わなければ、一体誰が言うのか?と思います。
感情の軋轢は日本語のせいもあると思います。論理的ではない上、情感がこびりついてるので、パソコン通信の狭い世界の時代には、実に下らない表現の行き違いから、あきれるほどの口論があちこちで噴出してましたもんね。
友人の中には、日本人同士でも英語でメールのやり取りをするようにしたら、スムースに誤解もなくハッキリ伝えられるようになったので、以後そうしてるよと言う者もいました。彼らは理系のバリバリの研究者たちで、しかも並の日本人より冷静で理性的なのですが、その彼らにしてこうでした。語学力がうらやましくもありましたが。(^^;
野田氏はピアノの専門家なのですか?ピアノの上手い現代音楽の作曲家だと思ってたのですが。
また調べてみますが、彼がもし国内にいるのなら、時々は『難曲』を公開演奏してほしいですね。多少遠くても聴きに行きますよ。
Wikipedia(J)は、カテゴリや分野によって偏りが激しく、記述量のバランスも悪いし、課題をいろいろ抱えていると思います。新しすぎるせいもあるので、そのうち平準化が進むでしょう。一度、論評できるくらいに、狭い分野について調べてみようとは思っています。
推定ですが、一番 Wikipedia らしいのはコンピュータや通信、狭義の IT 分野でしょう。一番百科事典らしいのは自然科学や工学分野。
ファーニホウが「高密度」というのは分かる気がします。それなら耳慣れと、(生でなければ)再生装置の問題にまずは絞られると思います。あとのことはその時考えます(笑)。
楽しみが増えた感じです。野田氏のファーニフォウを聴きたくなってきました。
2007年05月20日 18時14分13秒
野田君は最近では東京あたりでもリサイタルやってますね。でも四日市市にすんでいます。彼最近2chに書かなくなったので何時何やってるかちょっとわからなくなりました。ファニホーは昔ピアノ曲全曲日本初演したようです。あれは本気でピアニストだね。作曲もする!彼も「東音パルス学派」なんていう項目をWikipediaに作るんだもの。あれはやりすぎですね。彼は「野田君」で良いと思いますよ。英語も達者なはずです。僕の日本の昔の友達にもスペイン語で日本人とやり取りしてた変なのいましたね。彼の専攻はなんと「ドイツ語」だって!何かちっともしゃべれないのでスペイン語使っているとか?彼は難曲や演奏不可能の曲を演奏したがる気違いです。でも頼もしい気違いですね。そのままにさせておきましょう。
2007年05月20日 18時34分18秒
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*1 昔々のその昔、『家庭音楽鑑賞』というNHK-FM番組がありました。 いつから始まっていつ終わったのか知りませんが、1970年代を通して放送していたのではないかと思います。朝の9 時からの番組・・・
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昔々のその昔、『家庭音楽鑑賞』というNHK-FM番組がありました。いつから始まっていつ終わったのか知りませんが、1970年代を通して放送していたのではないかと思います。朝の9時からの番組だったので、さほど聴く機会はなかったのですが、『家庭音楽鑑賞』という、やわで保守的で道徳的な名前に反し、印象は強烈でした。
なんせ、上浪渡のナレーションで「家庭音楽鑑賞の時間です。本日は先日行われたドナウエッシンゲン現代音楽祭から、ジョン・ケージの新作と新しい作曲家たちの作品を聴いていただこうと思います。」といった調子です。当時の社会的な受容状況からは、朝っぱらから『い、いいのか?!をい!』と言いたくなるほどでした。
上浪渡は後に『音楽芸術』誌上で「あの番組はつぶさなければいけないと思っている」とまで某氏に書かれた日曜夜10時から始まる番組、『現代の音楽』の顔でした。朝にも顔を出してたんですね。(^^;;
尤もこの番組、現代音楽ばかりやってたわけではなく、服部幸三のソフトで紳士的な声がバロック音楽を紹介したり、皆川達夫が朴訥なしゃがれ声で中世・ルネッサンス音楽を紹介したりもしてました。
この両人は、朝6時からと10時からやっていた『バロック音楽の楽しみ』を一週間おきに担当していました。『バロック音楽の楽しみ』は週日放送していたこともあり、大学時代に一番聴いた番組で、これが無かったら私が古楽のコンサートなど聴きに行くことは無かったと思います。
他にも、美術評論家で該博な知識の持ち主、高階秀爾が番組の構成と解説をしていたことがあります。記憶では、フランス古典派(バロック)の紹介だったように思います。太陽王ルイ14世の時代ですね。
現代音楽では、当時既に大家となっていた作曲家たちも『家庭音楽鑑賞』で紹介されており、カールハインツ・シュトックハウゼンの『ヒュムネン(諸国国歌)』はこの番組で初めて聴きました。確か『少年の歌』もやっていたと思います。
そうした古き良き時代、私は時々FM放送をつけっぱなしで寝ることがありました。ゴールデンウィークのある日の朝、9時を少し回った頃、鮮烈な音響が鳴っているのに驚き、飛び起きてエアチェックを開始しました。オープンリールのデッキです。当時のカセットテープは音質が悪く全く人気がなかったのです。
曲が終わって興奮も覚めやらぬうちに、上浪渡の声が聞こえました。「ハインツ・ホリガーの『クライス』...『息』...でした」。「・・・ま、なんチッか、素〜晴らしい...感覚...ですね・・・」。
数人の金管奏者が、はずしたマウスピースと息で即興演奏をしていたようです。その出てくる音の緊張感と清冽さが、ビンビンと突き刺さってくるのです。快感でした。ブラボーの大拍手が起こったと思います。
大学に入ってから、ホリガーがオーボエの超絶技巧の開拓者として既に著名であることを知りました。現代音楽の作曲家としてもLPを何枚か出していました。
『家庭音楽鑑賞』で聴いてから数年後のことですが、行きつけのレコード店でホリガーの現代曲を探しました。でも、『クライス』らしき曲名は見当たりません。作曲年の近いものを選びましたが、出てきた音は全くの別物でした。それきりお蔵入りです。
残念ながらその後テープデッキは故障を繰り返し、最後は放っておいたので修理も不可能になっています。高価な2トラ38ではなく、安価な19cm/sという半端な規格と、パイオニアというメーカーの不人気から、インターネットで中古を探しても見つかりません。今のところ、『クライス』は幻の名曲になっています。
おそらく『家庭音楽鑑賞』では、ごく普通にロマン派や古典派もやっていたのだと思います。でも全く記憶に残っていません。ロマン派嫌いだった当時の私は、番組が始まってもすぐに切ってしまったのでしょう。でも、聴いた回数こそ少なかったけれど、その後の私の音楽の嗜好に、大きな刻印を残した番組でした。
思うに、もし当時、番組名に安心しきって子供に聴かせているお母さんがいたら、大丈夫だったのでしょうか。前衛に目覚めて家を飛び出した子供もいたのではないでしょうか。親の知らないうちに家庭破壊音楽鑑賞になっていたかもしれません。
時代は過ぎ去り、誰でも何でも聴ける音楽環境が形成されつつあります。
しかし、当時の状況を思い浮かべると、『ほんとは怖かった『家庭音楽鑑賞』』と言いたくなるところでした。
現代音楽 古楽 作曲家 ヴァイオリン(バイオリン) ピアノ