とっち〜(Totti+81)さんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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ちょっとパーセルを

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現代音楽について書くと疲れてしまう。というより、聴くだけなら気楽なんだ。それは、ブルースでもジャズでもロックでも同じだし、中世・ルネサンス音楽だろうが、バロック音楽だろうが同じはずだ。書くと疲れる。それに、出してるはずなのに溜まる。まだ足りないのだろう。
なるべく印象記にならないように、かつ過剰に知識に頼らないように注意しているけど、まだブレるし、文体も定まらない。ま、知識なんか粗方忘れてしまったし、印象を書こうにも感覚は錆び付いている。その方が表現には都合が良いのだが、半端だし、疲れ過ぎるのは困る。

そんなわけでヘンリー・パーセルを聴いている。歌劇『ディドとエネアス』だ。ちょっと失敗した。僕の耳にはかなりオペラっぽい。スコラーズ・バロック・アンサンブルってのは古楽器を使ってるのではないのかな? テオルボは良いが、ギターと書いてある。バイオリンはあのバイオリンか? 奏法は少なくとも違うが。

僕はオペラは好きではなく、学生の頃はもっと嫌いだった。現代曲とバロックオペラは別として。ちなみにロックオペラは好きではない。
初めて気に入ったのは、ペルゴレージの『奥様女中』だった。軽快な演奏と歌が切れ目なく続く(違っていたかもしれないが、印象はそうだ)、ポップスみたいな音楽だ。僕は持ってないが、オペラ好きな人の餞別品の担当を頼まれて、僕が良いと思ったバロック期の音楽のLPを、集まったお金で買えるだけ買って渡したことがある。その中の1枚に加えた。絶対のお勧めだった。第一、オペラ好きなら、僕が知ってる程度のイタリアオペラのタイトルを買ったところで、本人が持ってる可能性が高すぎる。その上、僕はロマン派嫌いでロクな曲を知らなかった。いや、全てというわけではないけれど。

ヘンリー・パーセルで好きなのは『メアリー女王のためのオード』とかそんな類いの、軽快でさほど長くない曲だ。軽くて軽過ぎず、気持ち良すぎない程度に気持ち良い。これらは本当に心地よかった。
そしてオペラの『妖精の女王』も良かった。マスクらしいが僕にはオペラだ。短くてアップテンポのシンプォニーが数曲続き、間髪を入れずに "Come come come come, can’t see ..." と絶妙のタイミングで声が挿入される。ま、あくまで印象ということで、歌詞もいい加減だがそんな感じだ。25年も聴いてないし、LPが再生できないので聴き返すこともできない。ま、印象だからそれで良いんだ。

で、『ディド』が終わっちゃったのでディスクを換えたら、クイーン・メアリーのためのセイクリッドなミュージックだった。カタカナ書きすると変だな、やっぱり。
テ・デウムから始まったが、まぁまぁだ。適当に気分は良い。華やかな金管も良いなぁ、パーセル。

パーセルは36歳で死んだが、イタリアのペルゴレージも同じぐらいで死んだ。そう言えばファーストネームを知らないな。ジョバンニぐらいにしとこうか。賢治みたいだし。ジュゼッペでも良いかな。彼も天才だ。
次の世紀を生きたモーツァルトも同じぐらいの歳で死んでるが、僕は学生の頃はパーセルの方が天才だと思っていた。今はあまり自信が無い。いつの間にかモーツァルトも結構好きになってるから。
ベーム、ウィーンフィルでポリーニが弾いてる21番だったか19番だったかはとても良い。その程度には好きになった。遊びにきていた女の子にも良く聴かせた。良いと言ってた。でもパーセルだな、今のところ。

イギリスは不思議な国で、パーセル以前には大作曲家が大勢いるのに、パーセルの次は20世紀のベンジャミン・ブリトゥンまで跳ぶ。ブリトゥンときたら保守的な作風で現代音楽とは言えない。そして、義務教育の教科書に出てきた『青少年のための管弦楽入門』で使っている旋律ときたらパーセルだ。間に誰もいないのだ。いっそダウランドでも使えよ。王室が好きならウィリアム・バードとかそのあたりのでも良いが。でもやっぱりパーセルだろうな、使うとしたら。気持ちは分かる。
極東の高橋悠治だって『パーセル最後の曲集』を作ったぐらいだ。”Unfortunately, Henry Purcell ...” という女声の朗読に、様々に変形された美しい旋律の断片が幾重にも絡まるあの音楽は、ブリトゥンと同じぐらい良かった。時代のハンディがあるから、その程度の評価で十分だろう。ユージはパーセルみたいに粋だった。いやダウランドのように美しくも物悲しい。
これもLPだから今聴けないなぁ。何とかしよう。もう何年もそう思ってるんだけどな。

さ、これで少しバランスが取れた。知ってる人間には面白くも何ともない下らない話を書くのは、ストレス解消になる。文体も変えたし、わりと安定している。これで中身があれば良いんだけど、今は無い物ねだりだ。書いただけマシだ。
ちょうどパーセルのCDは「ハレルヤ」の連続だ。そういえばヘンデルもわりと好きだったりする。ほとんど聴いてないが。気が多いのかな?

さ、アップするのは良いがパーセルに似合う写真が無いなぁ。コンパクト・デジカメ、酔っぱらって壊してから更新してないのが辛い。やっぱり新しいのを買おう。5台目かな?

 現代音楽 古楽 作曲家 ヴァイオリン(バイオリン) ピアノ


日付:2007年05月21日

7件のコメント

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このブログ(日記)へのコメント

ゆり

はじめまして(^-^)/
パーセルさんって、そんなに素敵なんですか♪♪♪
オススメCDがあったら教えてくださいm(_ _)m

2007年05月22日 22時09分14秒

ぐんそう

はじめまして。
パーセルのお名前に引かれて来ました。
一昨日、「シャコーニー」を弾いたもので。
オペラはこれから勉強します。

2007年05月22日 22時14分14秒

とっち〜(Totti+81)

初めまして、ゆりさん。=^ェ^=ノ ciao

パーセルは素敵ですよ。僕はすごく好きでしたね。
あまりディスクは持ってないけど、FMで良くかかってました。
上品なエロスを持ち、被りながらも流れるような旋律を紡ぎだします。
重くなりそうな曲でも軽やかな響きを作り出しますね。
アップテンポの曲が続くと、わくわく、ゾクゾクでした。

僕の今持ってるCDには良いのは無いんですよ。演奏によりかなりの差が出ます。ノレる演奏とノレない演奏があるんです。
ブログの『ディドとエネアス』/スコラーズ・バロック・アンサンブルは良くなかった。もう1枚もさほどではありませんね。
ジョン・ダウランドとセットになったエア(リュート伴奏付歌曲)の2枚組も持ってますが、それもさほどではない。演奏が、ですよ。
LPだと『妖精の女王』/Fairy Queen の良い演奏を持ってて、CDで再発されてるはずなんですが、手元に無いのでアマゾンで調べてもどれがどれやら分かりませんでした。たくさんありすぎ。=^ェ^=;

『メアリー女王の生誕のためのオード』なんて何曲もあるのですが、良い演奏のものは、極上の音楽ですね。
今度調べておきます。

その代わりで申し訳ないけど、高橋悠治の『パーセル最後の曲集』が、CDで再発売されてます。まだショップにありますよ。
パーセルを断片化して、変形したコラージュと思えば良いと思います。
とても美しい響きが次々と生成していきます。純パーセルではないけど、強力なお勧め盤ですね。気が向いたらどうぞ。
アマゾンにもあると思いますが、データが整理されてるこちらにします。

=^・x・^=っ http://www.bidders.co.jp/item/69743284

ではまた。=^ェ^=ノ nyan

2007年05月23日 21時29分36秒

とっち〜(Totti+81)

初めまして、akannon さん。

水戸バッハコレギウムの記事を少し読ませてもらいました。
定演を20回近くやってるとはすごいですね。年2回ですか。
5月20日のプロのことですね。バロックしてますね。
本格的で、結構ユニークなプログラムだと思いました。
ともあれお疲れ様でした。楽しそうで羨ましい気もします。

私見ですけど、パーセルの『妖精の女王』みたいな曲は、普通に小編成のオケと歌手とでやっても構わないと思いますよ。
衣装とか動きとか無くても成り立つと思います。

ちょっと脇に逸れますが、先日の、Shigeru Kan-noさんのブログのコメントに、現代オペラには小さいのもあるよと返事があって、なるほどなぁと思いました。

つ ムソルグスキーの「ソロチンスクの定期市」:ボン・オペラ5月19日
http://www.c-music.jp/index.php/blog/detail/i/8444...

ともあれ、コレギウム、ずっと続けて下さい。
ではまた。

2007年05月23日 21時57分50秒

ゆり

とっち〜さん、情報、ありがとうございます♪
オススメCD、聴いてみたいと思います(^-^)
現代音楽って、クラシック以上に作品の出来が演奏者の質に左右されるものなのかな?
とにかく、どんな音が聴けるのかワクワクです♪
ありがとうございましたm(_ _)m

2007年05月25日 00時17分56秒

とっち〜(Totti+81)

『パーセル最後の曲集』は最も聴きやすくて質の高い現代音楽の一つですね。この二つは両立しないことが多いと思います。
パーセルの旋律を使ってるからではあるけれど、高橋悠治の曲は耳に馴染みやすいものが比較的多いように思います。
ここでは、彼自身が鍵盤を弾いてます。ピアノ、クラヴサン、チェレスタ、エレクトーンまで使ってたと思います。電子的な変調もしてます。それらが生成しては消滅し、女声のナレーションが節目毎に挿入されます。
以上、25年以上前の記憶なので違ってたらごめんなさい。
=^ェ^=;
高橋悠治はピアニストとしても著名です。現代音楽の演奏に才能を発揮しましたが、クラシックも弾きます。ご存知の方には言わずもがなですが。

2007年05月26日 14時29分52秒

とっち〜(Totti+81)

次に、現代音楽と演奏者ですね。o^・x・^o ミャァ♪
演奏者によって変わるとは思いますが、『クラシック以上』に『出来』が左右されるかどうかは、曲の性質も大きく影響するでしょうね。
ちなみに、僕の印象では現代音楽を弾く人は最低水準はクリアしてます。特にソリストはとてつもなく上手いと思います。時に驚異的です。つまり『質』はある程度保証されてるかと。

でも難しい質問ですね。てか、考えると意外と難しいんです。
なぜかというに、現代音楽では、同じ曲を異なった演奏で聴く機会が少ないんですよ。
学生の頃は良く生で聴いたんだけど、1回しか聴けなかった曲が非常に多かったように思います。初演や国内初演、めったに再演されない曲なども多く、LP化もされず放送もされない曲が多かったんですね。

下記ブログの第7コメントの最終パラグラフとも関係あるのですが、実際に1回こっきりか、それ同然の演奏も多いと思います。書かれただけの曲はともかくとして(つまり演奏されないので)。

ライフ・パルス:ケルン 5月5日/Shigeru Kan-no
http://www.c-music.jp/index.php/blog/detail/i/8444...

委嘱者による再演はあるはずですけど、よほどの奏者、よほどの曲でないと、それを2回聴ける聴衆は、専門家を除いては稀だと思います。
ビッグネームは別ですよ。上昇気流に乗ってる作曲家とかも。

また、演奏できる人間が極めて少ないという曲もけっこうあるはずです。極端なヴィルトゥオジティが要求されるわけです。始めは一人だけとか。弾ける奏者が数人(数団体)いても、聴ける機会となると難しいかと。

で、比較できる曲の場合は2つのケースが考えられますね。
一つは、偶然性とか即興の要素が多い曲で、これは1回毎に音としてかなり違うはずですね。
次に問題の、音が(概ね?)楽譜などによって固定されてる曲ですが、記憶に残ってる範囲では、奏者によって違います。
例えば、ピアノ曲でテンポをほぼ同じにとってても、ダイナミックレンジが違ったり、アタックが違ったりと明らかにテイストが異なる演奏もあります。意外とエモーションや、逆にクールさの多寡を感じ取れることもあります。こうしたことは細かな解釈の問題ではないと思いますね。

オーケストラ曲で、オケによって響きというより受ける印象がまるで違っていたこともありました。固定楽譜の曲(のはず)なので、演奏に因る差と考えられます。この例の場合は、FMとLPとの差とは思えませんでした。
逆に、あくまで印象としてですが、異なるオケと指揮者で似たように感じた曲もあります。生とLPとの比較にもかかわらず。ただし二人の独奏者が同じだったんですよ。その影響が顕著だったのでしょう。

答になってないけど今回はそんなところで。
=^▽^=ノ

2007年05月26日 15時01分23秒

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