九尾さんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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奇曲鑑賞記 <反形式主義落語>

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え〜、人間誰にも長所と短所があるものですが、その長所というのが、必ずしも長所とは限らない、短所が必ずしも短所とは限らないのが、世の中の面白いところ。
<欠点こそがその人をその人らしくする>なんてぇ言葉もありますように、短所がその人の個性に繋がっている場合もあるものでして・・・  

「こんちわ!お久し振りでやんす。」 

「なんだい、八つぁんかい。<無音落語>以来じゃあないか。その様子じゃあ、出番が欲しくてウズウズしていた、ってえところだな。」 

「そりゃあそうですよ。前回の記事が好評だったんで、おだてに乗り易いブログ主のこと、すぐまた出番があるものと期待していたのに、あにはからんや、ちっともお呼びが掛からねぇ。あっという間に一年も経っちまいましたよ。」 
(無音落語→http://www.c-music.jp/index.php/blog/detail/i/0332...) 

「まぁ、ブログ主にも色々事情があるんだろう。そんなに落ち込まず、こっちで音楽でも聴いて元気を出すがいい。」 

「そうさせて頂きやすか。・・・ところで、さっきから後ろでがなっている音楽、随分とB級怪獣映画してますねぇ。何てえ曲です?」 

「なんだいその<B級怪獣映画している>ってのは。・・・これはね、フレンニコフってえ作曲家の、第二交響曲だよ。」 

「フレンニコフ?・・・相変わらず聞いた事のない名前でやんす。」 

「まあ、作曲家としては無名だろうな。だがな、この人は、一部じゃあとんでもなく有名なんだぞ。」 

「とんでもなく有名?どういう人なんで?」 

「フレンニコフはな、かつての超大国・ソヴィエトで、あのスターリンに<ソヴィエト連邦作曲家同盟書記長>てえのに指名されてから、連邦が崩壊するまで、不正なやり口でその地位に君臨し続けた人物だよ。平たく言やあ、ソヴィエト音楽界のドンだったヤツだ。」 

「うひゃ〜、よく分かりやせんが、なんだか凄そうな肩書きですねえ。」 

「そりゃあ凄い人物だよ。かのショスタコーヴィチ、プロコフィエフを何度も批判して、社会主義リアリズム路線ってえのを押し付けた御方だからな。」 

「社会主義リ…リア…リア王イズム?」 

「リアリズムだよ。お前さんにも分かるように簡単に言やあ、社会主義万歳で簡単明瞭な音楽を書け、というわけだな。暗い音楽はダメ!複雑な作品もダメ!実験的作品ももちろんダメ!そう判断されちまった音楽は演奏禁止になって、作曲者は自己批判させられるってえオチだ。」 

「なんだかトンデモねぇ野郎じゃあないですか、そのフレンニコフってえのは。」 

「そう思えるだろう?だがな、物事は一面だけを見て判断しちゃあいけない。…この人が作曲家同盟書記長の座にいる間は、一人も粛清された、つまり殺された作曲家がいなかったそうだよ。だから、フレンニコフってえ人は、過酷なソヴィエト体制の下で、自分が権力を握り続けるという手段で、他の作曲家達を守っていた、なんて評価もされているんだ。」 

「なかなか一筋縄ではいかない話でやんすね。・・・それで、肝心の音楽の方なんですが、なんだかスカスカな弦楽を、ガンガン鳴り響く金管で覆い隠してるみてえで、あんまり腕の良い作曲家じゃ無さそうですぜ。」 

「お前さんでも分かるようだね。そうだよ、ショスタコさんやプロコさんと聴き比べてみりゃあ、その差は歴然だよ。…だがね、この、深みはないが勇ましいメロディ、単純明快な構成、あまり上手ではないオーケストレーションこそが、この作曲家の味とも言えるんだ。そのヘタ面白さが気に入れば、意外とクセになるぞ。そら、今流れている第四楽章なんて、どっかの時代劇の主題歌みたいじゃあないか。」 

「へぇ〜、ヘタ面白いと来やしたか。音楽を聴くってえのは、奥が深いんですねぇ。…あっしは面倒なんで何も考えずに聴きやすが、この交響曲も、ソヴィエト体制下での作曲なんてえムズカシイ事を考えるには、参考になるんでしょうね。」 

「そうだとも。何しろ<社会主義リアリズム>という道をまっしぐらに進んだ音楽だからな。脇道に逸れたりしなけりゃあ、こんな作品が出来上がるってえ見本だよ。」 

「なぁるほど。・・・つまりあれですか、これがホントの逸れん(ソ連)音楽。」  


おあとがよろしいようで。 


※交響曲第二番(第三楽章と第四楽章)

http://www.youtube.com/watch?v=sNBkrtTpnec
  

余談ですが、こうした訳あり作曲家のマイナー作品でも、私のような一般人が容易に聴くことの出来る、大らかな社会が大好きです。
 

 交響曲 作曲家 器楽曲 吹奏楽∩管弦楽器 協奏曲


日付:2012年04月09日

16件のコメント

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このブログ(日記)へのコメント

サウル

お久しぶりです。
だれもコメントが無いのは、どうしてでしょうね。
いろいろ面白い話なのに。

少々過労気味なので、あまり書き込みが出来ませんが、また面白い話を書いて下さい。

明日は、関西方面に出張です。
 

2012年04月12日 22時29分31秒

九尾

サウルさん

面白いと言って頂けて光栄です!

このサイト、時期によって雰囲気が変わるみたいですね。
最近は、読んで面白いと思えるブログが減ってしまったので、あまりアクセスしなくなりました…。

登録して二年、当初から交流が続いているのはサウルさんとu−さんだけ。
面白い方、もっといたハズなんですが…。

過労気味なのに出張ですか。どうぞ、お体に気を付けて下さい。

2012年04月12日 23時04分12秒

けんすけ

面白いです!!
早速、"初体験"ながら「交響曲第二番」(全曲)試聴しました。
ロシア的な"豪胆"な曲で、吹奏楽で編曲/演奏されそうですね。
こんな"秘曲"を案内して頂き、有難うございました!!

所で、丸尾さん"江戸っ子"でしたっけ??
※そこは"触れんに越す"ってことで…

2012年04月13日 00時16分15秒

九尾

けんすけさん

ありがとうございます!

ある噺家曰く、
<落語を話すのはバカにならなきゃ務まらない、落語を面白がるのは、バカには出来ない。>
そうです。(うろ覚えだけど)

"触れんに越す"=フレンニコフってえオチですね。さすが!

ちなみに私は江戸っ子では無いので、アヤシイ江戸っ子口調で書きました。御容赦!

2012年04月14日 07時13分31秒

u−

最近、現実逃避からゲームで遊んでました^^;

陽気で楽しい曲です。

怪獣映画かどうかはともかく、確かに映画音楽っぽいです。
ファンタジー冒険映画でも使えそうな感じがしますよ。

ところで、八っつぁんの相手って大工の棟梁さん?

2012年04月13日 20時02分25秒

小原 なお美

私があまり詳しくないせいか,九尾さんの書いてくれる話に出てくる曲目結構知らなくて,
「じゃあこれ聞こう!」
最近はここで,新しい曲の開拓をしてます。
あまりコメはしておりませんが,足跡つけまくりですww

2012年04月13日 20時25分34秒

九尾

u−さん

現実逃避とは、どうされたのですか?
u−さんが辛い現実に直面されているのかと思うと、心配で夜もグッスリです。(ぉぃ

八っつぁんの相手…大工ではなくご隠居さんです。

若い頃は音楽の教師になることを目指していたものの、ピアノが弾けないのと歌が下手だったので諦め、歴史の教師になりました。
八っつぁんは教え子の一人で、出来が悪いものの気が合い、毎年年賀状の遣り取りは欠かさない相手。
ご隠居が定年退職してからも、たまにやって来ては彼の音楽話を感心して聞いている・・・そんな設定です。

2012年04月14日 07時25分43秒

九尾

小原 直美さん

スミマセン。もっと有名な作品について書いてもいいのですが、有名曲の場合、いろんな方がいろんな所でいろんな事書いていますから、私ごときの出る幕ではないと思い、あえてマイナー路線を突っ走っています。

足跡については、人によっては頻繁にチェックする方もいるそうですが、私の場合そんなに見ていないので、気にせずどうぞ。

2012年04月14日 07時40分34秒

u−

>夜グッスリ
良い事です。

頭が飽和状態近くになってくると逃避したくなるのです。

江戸っ子の歴史の先生でしたか・・・

そういえば中学の音楽の先生、声楽専攻だったらしく、歌にうるさかったです。
歌の試験で8小節以上歌わせてもらった生徒はほとんどいなくて、お気に入りの生徒だけ最後まで歌わせていました。嫌われていました・・・。姉の話によると姉の頃(8年前)から嫌われていたそうです。

歴史の先生にしろ音楽の先生にしろ、いい印象の先生はいませんでした。

ところで、この曲、何度か聴いてみましたが、(作曲が)ヘタか上手いか解りません。
どういうのが上手い作曲なのかが知らないのですな・・・^^;

2012年04月14日 16時50分33秒

九尾

高校の音楽の先生が、声楽家でした。

授業中に、前任の音楽教師の悪口や、授業とは無関係な愚痴ばかり言っていて、評判悪かったデス。

良い印象の教師って、私も少ないです。
中学の頃の社会科の先生の授業はとても面白かったのですが、そういう人に限って、すぐに転任しちゃいます…。


<どういうのが上手い作曲>…実は結構難しいですね。

構成力があって、オーケストレーションが上手で、メロディが美しい。
そして何故かクラシック音楽につきものの言葉「精神性」も備わっているのが上手なのでしょうか?

正直に言って曖昧だし、<クラシック=その辺の俗っぽい音楽と違い、高尚ですのよ>と言ってるみたいで、あまり<精神性>という言葉は使いたく無いです。

この曲については、冗長ではないし分かり易いけど、やはりオーケストレーションなどがどうかな?と思います。そこがまた好きなんですけどね。

2012年04月14日 23時33分56秒

九尾

考え始めたらグッスリでは無くなりました(涙)。
以下、個人的な考えです。(フレンニコフの曲についてではありません)

その一。
クラシック音楽は長い曲が多いので、構成力が無いと、どうしても冗長になってしまいます。
逆に言えば、構成が巧みなら、長い曲でも飽きずに聴けるって事かな。もちろん好みもあるけど。

その二。
リズムが一本調子だと、やっぱり飽きてしまうと思います。変化が無いとね。

その三。
オーケストレーションの上手な作曲家は、様々な楽器を上手く使って、色彩感豊かな世界を創り出します。(楽器は、よく絵画の絵の具に例えられますね)
あと、やはり弦楽の響かせ方が豊かだし、音全体に厚みを感じる場合が多いです。(音は薄いのにオーケストレーションは上手、という例外もアリ)

メロディについては、個人の好みの部分が大きいと思うし、対位法・和声法については、重要な点だという事以外、よく知りません。<精神性>については抽象的すぎて分かりまへん。確かに、そうとしか言いようのない<何か>を感じる事はありますが。


ちなみに、私の場合、楽譜とにらめっこしてアナリーゼしている訳ではないズブの素人なので、あくまでいろいろと聴いている中で感じた事です。

2012年04月14日 23時53分04秒

u−

なるほど〜

その一:
理性の曲ってことにもなりますね。理性で作られた曲でないと構成力が、なんと言いますか・・・アレですよ。  (?)

その二:
ポップスもそうですね。若い時はよく音楽番組を見ていたけど、ある時期に一本調子の曲が流行って、それからポップス離れしてしまいました。
ラップも一本調子・・・な気がします。

とはいえ、変化に優れ色彩豊かな音楽だけが音楽ではないし、この辺はやっぱり好みの問題でしょうかね・・・
綺麗な音の曲だけが音楽ではなく汚い音の音楽もあるべきだし。

ん?てことは、クラシック好きの「上手い音楽」ということですね。
上手い音楽=自分好みの音楽 とも言えるのかもね。

2012年04月15日 13時19分09秒

九尾

このサイトでは珍しく(汗)、マジメな音楽の話になりましたね。

理性の曲…感情だけが先走ってしまうと、ロクな内容になりませんからね。文章にも言えることだけど、喜怒哀楽をそのまま書くと、後で冷静になって読んで「なんじゃこりゃ?」になります。そんな感じでしょうか。

汚い音の音楽もあるべき…まさにその言葉通りの事を仰っている、木山光さんという作曲家がいますね。
動画でしか聴いたこと無いですが、確かに凄まじい音響作品書いているようです。


以下、フレンニコフについて。

あるクラシックの本で、「ソヴィエトのマイナー交響曲」について少し触れられている部分で、ボリス・チャイコフスキー、ヴァインベルク等と共に名前が挙がっていたのを見て、知りました。
他の作曲家については知っていて、それぞれかなり充実した作品だったので、唯一知らなかったフレンニコフにも期待して、CDを買ってみたのです。

…最初に聴いた印象は、八っつぁんと同じく「スカスカで、金管ばかり目立つ」というもので、他の作曲家と比べて薄味な感じで、正直CD買ったのを後悔しました。
しかし、せっかく買ったのだからと何度か聴いているうちに、だんだんクセになって来たのです。
けんすけさんの言われる通り、<豪胆>な曲なんだな、と。

他と聴き比べて、「上手・下手」と判断してしまっていたのですが、これはこれでそういう味の作品、と考えれば良いんだな〜、と分かりました。

2012年04月15日 17時13分32秒

九尾

ちなみに、聴き比べていた相手ですが、例えばショスタコさんで言えば、レニングラード交響曲とか…。
呑気とも思える<戦争の主題>が、徐々に凶暴化していく様など、戦慄を覚えます。

http://www.youtube.com/watch?v=eMS-MbNNMaY&feature...

比較する相手が凄すぎるか…。

2012年04月15日 17時34分21秒

u−

マジメすぎて、この先どうしたらいいか・・・^^;

冷静すぎる文章は内容によっては難しく読めない物もあるけどがんばれば読めますね。感情の赴くまま喜怒哀楽好き勝手に書いた文章は何が書いてあるか意味不明な場合がありますね。
そういうことなんですね?

木本さんの事は知りませんでした。

>だんだんクセになって来たのです。
「美人は3日で飽きる」の逆パターン?

もしかして(もしかしなくても)、演奏する人(オケ)によっても下手さ加減が違うのかもしれませんね。

2012年04月16日 20時03分57秒

九尾

いつもマジメなu−さん、こんばんわ。

そうそう、感情的すぎる文章だと、感情は分かるものの何が言いたいのかサッパリだったりしますからね。身に覚えがあるので気を付けなきゃ。
逆に冷静過ぎると、数学の教科書の記述みたいに退屈になってしまうし。
音楽も、感情と理性が上手に融合しているのが、面白く感じるんでしょうね。

もちろん好みは<人それぞれ>だけど、それを言ってばかりでは発展性もなくつまらないので、<どうして面白く感じるか>を考えて聴いてみるのも一興ですね。

演奏の善し悪し…今回の動画、かの大指揮者スヴェトラーノフ率いるソヴィエト国立響という、この手の作品では最強コンビ(?)の名演なので、普通以上に良く感じるかと思います。

2012年04月17日 19時33分39秒

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