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モーツァルトのオーボエ協奏曲をめぐる謎

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『PIPERS』10月号掲載の記事に、標題に挙げたタイトルの文章があって興味深く読みました。

書いたのは、インゴ・ゴリツキ。

モーツァルトのオーボエ協奏曲とフルート協奏曲第2番は同じ素材なのに、調やパート譜に違いがあるので様々な論争が沸きおこる名曲です。

事の発端は、モーツァルトの自筆楽譜がないというのが問題なわけ。
通説では最初にオーボエ協奏曲を書き、あとでそれをモーツァルト自身がフルート協奏曲に編曲した事になっているのですが、それ自体にも疑問があるのですよね。

で、ゴリツキによると、様々な観点から考えるとモーツァルトのオリジナルに近いのはフルート協奏曲だろうという結論となっています。その過程の様々な論証は『PIPERS』を読んでいただくとして、確かに曲として音楽的に完成度の高いのはフルート協奏曲の方かもしれませんね。


それと、ゴリツキは管楽器のための協奏交響曲にも言及しています。もともとモーツァルトの作品ではないと思われるということ。従ってモーツァルトの原初形態を求めたレヴィン版というのは存在意味自体に疑問を持っているということ。
この説が正しい正しくないの判断は音楽学者に任せるとして、個人的にはフルートよりクラリネットの方が音に厚みがあって聴いていて安心感がある点から、従来の編成による演奏が好きですね。

 作曲家 指揮者 交響曲 オペラ∩声楽曲 日本伝統音楽


日付:2008年10月13日

1件のコメント

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このブログ(日記)へのコメント

Shigeru Kan-no

インゴ・ゴリツキはシュトットガルト音大のオーボエの先生ですね。親切で弟子の面倒を見るのでとても人気があります。当時彼の演奏を良く聴きました。元フランクフルト放送響の奏者だったようです。

フルートオーボエは音域がちょっと違いますからねえ。音の良く出るとこの違う。普通はちょっと変項しますね。

管楽器のための協奏交響曲は比べられるのが嫌で誰かが別の楽器に直すのが定説ですね。競争が激しかったようです。レヴィン版は面白いですよ。Mozartはいつも謎のままです。

2008年10月13日 19時46分51秒

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