はかせさん
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堤さんが菓子折持参のお店で、はかせさんも同じことをしていたなんて。。はかせさんの信用ってすごいですねー!(+o+)
いい楽器を使って気付くことって、本当に貴重ですね。500万で買えないから作るってところが、ステキです。(^^)
はかせさんのブログ、わくわくします♪
2007年06月07日 20時14分15秒

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だいぶ昔、上の息子が産まれるより前に、プロ二人とベートーヴェンの大公トリオ(ピアノトリオ第7番変ロ長調作品97)の第1楽章を人前で弾くことが決まったとき、自分の楽器ではだめだ、とわかっていた。市主催の市民による音楽会なので大きなホールだし、ピアノはシュタインウエイのフルコンサート、ヴァイオリニストは上野の音楽大学の卒業前に親が大枚はたいたという、フランスの名器を使用。腕はもちろん私よりだいぶ上。私の当時の楽器は大学入学時に、入学祝いをかき集め、「国立大学に、現役で単願で予備校にも行かず合格したのだから」と親に頼んでスズキから買い換えた楽器だが、ミッテンヴァルトの普通の安物だ。楽器でも腕でも太刀打ちできやしない。ピアノトリオは、チェロに音量が求められるジャンルなのだ。
高校生の時から行きつけの楽器屋に状況を話して頼んだら、よしよし、と高い楽器を貸してくれた。この楽器屋は、老後の保障のためにと称して、売る気のない高価なフランス製のチェロをたくさんもっているのだ。これに味をしめて、なんだかんだと言っては、高い楽器を借りて弾いていた。4台くらいを繰り返し使わせてもらったが、一番高いのは、この辺のマンションくらいの値段だと言われた。東京・田園調布での話である。
こういう生活を数年続けたが、当時、その楽器屋の職人だった我が師匠が初めてのチェロを完成させ、これがなかなか良かったので今度はこれを借り、名器借り出し生活に終止符を打った。相変わらず借り物だったが。師匠の楽器は10年ほどタダで借りっぱなしにしたあと、売ってもらった。名器もタダで借りていたが、楽器屋に行くとき、菓子折を持って行く習慣ができた。そういえば、チェリストの堤さんも、この楽器屋に来るときは必ず菓子折持参だった。
良い楽器は、チェロに様々な可能性があることを教えてくれる。チェロという楽器はこんな音色を出すこともできるし、こんなに短い音も出せる、こんなに弱く弾いても鳴る、こんなに強く弾いてもつぶれない、などなど。そしてそのことがわかれば、もうちょっとランクの低い楽器を弾いていても、弾き手はそれを要求するようになるのだが、意外に、ちゃんと実現できたりする。ランクの低い楽器にもその能力があったのに、それを弾き手が気づかなかっただけ、ということがあるのだ。もちろん、安楽器の限界というものは低いところにあるのだが、それでも良い楽器を弾いた後だと、安楽器でも結構なことができるようになる。だから、高価な楽器を弾いたことで、私のチェロの弾き方も大きく変わったと思う。
ちゃんとしたスポーツカーというものは別段、サーキットに行かなくても、高速道路をかっ飛ばさなくても、日常的に楽しい。通勤のため、普通の道を交通の流れに従って走っていても、わくわくする。ただ、軽くブレーキを踏んだだけでも、ちょっとしたカーブを曲がっただけでも快感だ。良いチェロはこういうスポーツカーと同じで、コンチェルトを大ホールで弾かなくたって十分にその良さが分かる。
もう一つわかったことは、私が欲しいと思う楽器は500万円やそこらでは買えない、ということだ。そのことを話したら、その楽器屋が、「教えてあげるから自分で作るのが一番。はかせさんなら良いチェロができると思う」と言ってくれた。その一言で、チェロ自作プロジェクトが始まった。
チェロ ピアノ