はかせさんのブログ（日記）〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

　ラジコン飛行機は誰にも習わず、本と雑誌を読んだだけで独習した。おかげで、最初の３機は初飛行で全損だったけれど、４機目の飛行機がどこも壊れずに着陸したときはとても嬉しかった。たぶん、上手な人に手取り足取り教えて貰ったとしたら、これほどに嬉しくはなかっただろうと思う。その後もだいたい飛ばせるようになる過程で大量の飛行機を壊したが、達成感は大きかった。楽器、音楽を習わずにやるアマチュアも大勢いるし、初歩のうちだけ習い、あとは自力で楽しむ人む多いが、私のラジコン飛行機と同じように、自分で発見することが多く、達成感が大きいのだろう。
　チェロはずっと習ってきた。最初の６年間はほとんど合奏もせず、ただ、個人レッスンを受けるだけの日々だったし、室内オーケストラ、トリオ、弦楽四重奏をやるようになっても、そういう曲のパートもレッスンで見てもらっていた。
　就職して数年はレッスンを離れていたが、その間に高校１年から大学院を卒業するまで習っていた先生が亡くなり、新しい先生に習うようになった。ピアニストの坪田正三氏（厳本真理弦楽四重奏団がピアノを必要とする時、いつも共演していたピアニスト）にチェロソナタのレッスンもしてもらっていた。トリオでレッスンも受けた。
　去年から別の先生にもチェロのレッスンをして貰うようになったし、弦楽四重奏も尊敬するヴァイオリニストに、弦楽四重奏まるごとレッスンして貰っている。
　カンタータは毎回の練習で、指揮者に音楽を習っているようなものだ。なにもかも、しかもいいトシをしてまだ習っている、というのは、我ながらどうかと思う。そろそろ、自立しても良いのではないかと。
　音楽を演奏するのには数限りない方程式を解かなければならない。楽曲解析というかアナリーゼはまさに方程式だ。すぐれた音楽にはたいてい、解がある。その解をどうやったら他のメンバーに伝えられるかも方程式だ。自分のパートを弾くのだって、どのポジション、どのボーイングを使うのか、手持ちの技術で弾けるのか、弾けないときはどういうエチュードやってそのための技術を獲得するのか、という具合。
　多くの方程式は自力で解けるのだが、いまだに先生に手伝ってもらわなければ解けない方程式もあるし、習った方が早い、ということも多くある。もう、ゆっくり方程式を解くことを楽しんでいる時間は無いのかもしれないし。

　チェロ　ピアノ