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ベートーヴェンのチェロソナタを弾いていると、f sf ff などフォルテ系の指示がとても多い。ピアノソナタでもカルテットでもそうだ。子供の頃は、f を見ると反射的に強く弾いていたけれど、だんだん、それではなんか違う、と思うようになった。f のあとにクレシェンドが続くところなんか、すぐに楽器の限界に達してしまう。師匠の製作した楽器はかなり音量の出る楽器だが、どんな楽器を使っても限界はある。
プロの演奏会を最前列の席で見るようになってわかったのは、f と書いてあっても素直に大音量で弾いたりはしていない、ということだ。彼らの f にはかなりの広いレンジがある。f には何デシベルから何デシベルまでという感じの幅がある。最低音量の f でも f の感じは出なければならず、場合によっては顔とフォームだけ f という時もある。最大音量の f は1つの楽章中一瞬しか使わない。一方 p 側も同様で p にも何デシベルから何デシベルまでというかなり広いレンジがあるらしい。そして、最大音量の p は最小音量の f より大きいこともあり得るかもしれない。
ベートーヴェンによくある、フォルテで弾く音型が3回繰り返されるパターンで、最後が一番大きくなるケースでは、その1回目のフォルテの音量をよくコントロールしておき、解釈次第だが、2回目を少し大きく、あるいは、1回目より少し弱く弾き、そして、3回目を強く弾くとかするわけだ。うむ、なるほど。
こういう考えを取り入れて弾くようになって、だいぶベートーヴェンも弾きやすくなった。その楽章で最大の音量を要求される場所を探し、そこに対して、他の場所に f の音量を割り振っていく。ベートーヴェンの音楽は非常に理詰めなところがあるから、弾く方もしっかり理詰めに準備しなければならなかったのだ。この音量の配分に加えて、テンポの微調整、スビトピアノの前にギャップを入れるか入れないかとか、も前もって考えておかないと、弾き手が楽譜を見てびっくりしてしまう。
ピアニストと作戦会議という感じで準備していく。本番までにピアノパートの各声部の隅々まできっちり、どのくらいの音量を使用するかを厳密に決め、実行できるようにする。
こういう風にして仕上げていくと、弾きながら次々に自分に対して前もって指示を出していかなければならない。練習の過程でかなり覚えていくので、そんなに忙しくはないのだが、演奏しながら楽譜をかなり先読みしなければならないのは確かだ。本番で弾いている最中も、めまぐるしく自分に指示を出しそれに従ってタスクを処理している。
あがる、というのは頭が暇なときに余計なことを考えるところから始まるような気がするのだが、頭が忙しいと、あがっている暇もないようで、こういうことを考えるようになってから、チェロとピアノのソナタの本番では、あまりあがらなくなった。
チェロ ピアノ