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スポーツカーの運転はそれ自体、純粋な喜びなので音楽に介入されたくない。それにオープンカーは騒音が大きいので音楽を聴くのに適していない。また、好きな音楽が流れていると真剣に聴いてしまうし、嫌いな音楽を聴いていると真剣に腹が立ち、運転に悪影響が出る。それで今では運転しながら音楽を聴くことは皆無だが、昔はよく聴いていて、そのためのテープを作っていた。昔はカーステレオはカセットテープと決まっていたのだ。そういうテープを作っていて気付いたのだが、ハ短調が多い。私はハ短調好きなのだ。代表例を挙げる。
ベートーヴェン
ヴァイオリンソナタ第7番(op.30-2)
ピアノ協奏曲第3番(op.37)
ピアノソナタ第32番(op.111)
バッハ
トッカータ(BWV911)
パルティータ(BWV826)
インヴェンション第2番(BWV773)
モーツァルト
ピアノ協奏曲第24番(KV.491)
ブラームス
ピアノ四重奏曲第3番(op.60)
交響曲第1番(op.68)
ショパン
革命のエチュード(op.10-12)
ベートーヴェンはそもそもハ短調に親和性がある作曲家だと思うが、他の作曲家でもこうだから、聴き手である自分の側に何かあると思う。
オーディオマニア/レコードコレクタの父を持ち、父の部屋でかかっていた音楽を聴いて育ったが、主体的に好きになった最初の音楽が運命(ベートーヴェン・交響曲第5番ハ短調op.67)と悲愴(ピアノソナタ第8番ハ短調op.13)だったのが運命的だったのかもしれない。ハ短調の主和音を聴くと自然に運命や悲愴を聴いたときの感情が誘導されるとか。
革命のエチュードやブラームスの交響曲第1番はこの路線に近い感情を呼び起こされるが、バッハのインヴェンション第2番はこれとは違う方向性で、それはモーツァルトのピアノ協奏曲第24番と共通するように感じる。
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