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シューベルトの練習の前にちょっと休憩。ステージに近づいていったら息子が気付いて降りてきた。大学の担任から借りているヴィオラを観察していたら、ヴィーンフィルハーモニーの首席ヴィオリスト・オクセンホーファーがステージから飛び降りて近づいてきた。息子が紹介し、握手をする。「Talented young boy, no, young man! Gifted talent!」とお世辞を少々。彼の楽器はミラノのテストーレだということなので、手にとって見せてもらう。420mmくらいか。表板の真ん中が弦の圧力でへこんでいる。まあ、古い楽器にはよくあることだが。隆起のイメージを脳裏に焼き付ける。大きいヴィオラを作った話をし、ヴィオラに必要な大きさについてしばらく歓談。
シューベルトの練習が始まる。やっぱり、ムーティは指揮台に上るやいなやすぐに指揮棒を振り下ろす。最初はホルン2本のユニゾンだけだが素晴らしい。一人で吹いているように聞こえるし、音色が実に美しい。音量もよく抑えられている。リフレインの所でホルン1本になるのが、とても効果的だ。始まってしまうとムーティは全然指揮せず、勝手にホルンに吹かせている。これに気付いて注意していると、ムーティはしばしば全く指揮をしなくなり、その時間がかなり長い。平気で数小節放っておく。曲想が変化する箇所で、変化のきっかけを作る、いわばアウフタクト部分はしっかり振っているが、新たな部分に入った1拍目からはもう、何もしない。顔だけは何かやっているかな?と思って本番のときチェックしたが、それもやっていない。
昔、乗馬実習(そんなもののある学科の卒業生)の時、馬に乗って川とか池に落ちないように誘導するのは難しそう、と話していたら、教官に「馬に任せておけば、だいじょうぶ、人間がじゃますると危ない。」と言われた。また障碍を飛ぶときは馬の歩調を、うまく踏み切れるように誘導してやれば、自然に上手に飛んでくれるそうだ。
オーケストラもそんな感じで、指揮者が全部振り続ける必要など無いのだ。音楽の必然に沿って流れているときは放っておけばよい。いちいち細かく振られたら邪魔でしょうがない。
ザ・グレイトは長い曲だ。45分はかかるだろう。昔はこの長さにうんざりしたものだ。しかし、シューベルトのピアノトリオに自分たちで取り組んだ過程で、シューベルトの音楽がこの天国的な時間を必要としていることが腑に落ちたので、今回、ザ・グレイトを聴いていても心地よかった。
何よりも金管楽器の音色が美しく、あの真鍮がひび割れるようなヒステリックな大音響を誰も出さないのが嬉しい。ホルン全員とトロンボーン全員の掛け合いなんて、昔、NHK交響楽団で聴いたときは耳をふさいだものだが、この演奏は実に素晴らしい。第一オーボエも素晴らしい。弦の音程も非常に良い。音程の悪いプレーヤーはオーディションで落ちたのだろう。たしかに、食いつきの悪い弦のプレーヤが多いのだが、ヴィーンフィルハーモニーのメンバーを含む少数の上手なプレーヤーがしっかり食いついているので、聴いている分には気にならない。
シューベルトのパーカッションはティンパニ1人だ。これを担当したアカデミーメンバーはアンコール曲には出ていなかった日本人で、とても上手だ。
最近他の演奏会を聴いていても感じることだが、若い世代の技術が飛躍的に伸びている。一昔前なら超絶技巧だった技術も、理論的に奏法が解明され、やる気のある若い演奏家はそれをどんどん身につけている。それを背景にして、オーケストラの実力が、30年前とは比べものにならないほど上昇しているのだろう。
チェロ ヴィオラ(ビオラ)