はかせさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

Museでクラシック音楽を通じて素敵な出会いを

Password


次回から自動的にログインする。

« 200708月 »

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

月別ブログ(日記)一覧

今井さんの本

前の日記(ブログ)                         次の日記(ブログ)

 ヴィオリストの今井信子さんの書いた「憧れ ヴィオラとともに」は面白い。一流の演奏家、一流の研究者はあくが強く口の悪い人が多いが、彼女もそうとうのものだ。マスタークラスとかヴィオラスペースなどでも、そういう雰囲気のようだ。
 全編面白いのだが、彼女がフェルメール・カルテットのメンバーだったころの話を書いた「カルテットの日々」という章から。

 「カルテットでは、四人が対等である。四人の音楽的な実力は、あくまで同等でなければならない。不思議なもので、演奏者のレベルがまちまちだと一番低いところにあってしまうのだ。」
 これはまさに、実感する。カルテットはメンバーが集まった段階で、どこまで行けるかは定まっている。どこかに弱点となる人がいたら、そこはどうやってもカバーできない。

 「長く続いているカルテットほど、決定的な衝突を避ける方法を編み出している。割合に多いのが、練習と舞台の上以外は完全に別行動を取るというものだ。
−−−中略−−−
 創設メンバーのまま四十年近く続いた驚異的なカルテット、グァルネリ弦楽四重奏団の場合は、もっと徹底していた。ホテルでお互いの練習が聞こえないよう、部屋はバラバラに離れたフロアの、しかも廊下の端と端に離して部屋を取る。演奏会シーズンが終わったら、まず会わない。家族同士も没交渉。」
 アマチュアは自分の楽しみのためにカルテットを弾くが、それでも、議論がしんどいことはよくある。これが、仕事だったらこうなるだろうことは、容易に想像がつく。

 「日本人の場合、そこにさらに文化的・言語的な困難が加わる。私たちは、論理的に自分の意志を主張する訓練を幼い頃からほとんど受けていない。」
 そう、イギリス人は小学校からその訓練を受けていた。

 「そもそも、自分の考えをまとめて人に伝えようという意識さえ、あまりないかもしれない。−−−中略−−
 しかしカルテットにおいては日本風は通用しない。どうしても、何としてでも論理的に主張しなければならない。英語が苦手などといっていたら、永遠に相手に合わせていなければならない。
 だから私は、フェルメールという口達者なカルテットで生き抜くために、あの五年間で飛躍的に英語力が向上した。
 ただ、同じ事を日本語で日本人同士のカルテットでできるかというと、あまり自信がない。そもそも日本語で何の含みもなく「ノー」と言える単語を、少なくとも私は思いつかない。」
 納得することばかりだ。ロンドンでやっていたカルテットは、なぜか感情的にならなくて、やりやすい、と思っていたが、それは英語でやっていたからだったのだ!
 

 チェロ 室内楽


日付:2007年08月03日


登録して素敵な出会いを見つけよう!

Museカテゴリー

フリーワード検索

新規ブログ(日記)

演奏会に
行った。

期日:3月8日会場:大阪フェ・・・(平行五度好きさん)


ディスカ
バリーコ
ンサート

ディスカバリー 発見、初出演・・・(Nobue Kanekawaさん)


『バラ図
譜』刊行
200年 「
・・・

シャルルさんは、薔薇が好きだ・・・(小原 なお美さん)


新規会員

Ito_orc
さん

ピアノ20年ほど習ってました・・・


ミルキー
さん

自分では楽器は演奏でません。・・・


ユウさん
はじめましてユウです。ピアノ・・・


公開マイスペース

【来日4
0周年記
念】ミシ
ェル・・・

現代フランスを代表する巨匠ピ・・・(Ito_orcさん)


シャルル
さんのお
墓参り

 令和5年2月20日にシャル・・・(歌の翼さん)


アトリエ
アルファ

横浜にある木管楽器専門店です・・・(星のジュウザさん)