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今井さんの本の「カルテットの日々」の章からもうちょっと。カルテットの大変さだけしか書かないのは片手落ちなので。
「そんな思いをしてまで、なぜカルテットを続けるのか。カルテットには四人が一体となったときだけに生まれる、ほかでは得られない「何か」があるから。そして、ほかのジャンルの音楽にはない力を持った作品がたくさんあるからだ。」
ここで彼女はベートーヴェンの弦楽四重奏曲op.127の二楽章のすばらしさを書いている。
「この曲だけでなく、四声体の骨組みだけで緊密に構成された弦楽四重奏曲には、作曲者自身の精神の内奥が深く反映された作品が多い。そして、ぎりぎりまでそぎ落とされたものだけが持つ美しさ、強さがある。そういう作品を弾くときの満足感は何物にも代え難い。だからこそ、弦楽器奏者は誰もがカルテットの虜になってしまうのだ。」
だから、そういう素晴らしい曲だけを、それに肉薄できるメンバーだけと、弾きたくなる。
「英語では相性がよいことを「私たちには良いケミストリーがある」と言う。ケミストリーという言葉の元々の意味は「化学反応」だが、ちょうどそれと同じく、四人の音楽が瞬間的に化合して全く別のものに変化することも多々あったのだ。人知を超えた何か、とも言えるかもしれない。」
これはかすかに想像できるけれど、実感したことはない。高いレベルのプロの固定メンバーのカルテットだけが到達できる境地なのだろう。
「やはり、日常はどんなに大変でも五年間も続けられたのは、ああしたカタルシスを体験できたからだろう。結果が素晴らしければ、それまでのすべてを許し、忘れてしまえる。カルテットは、私にとっては一つの信仰のようなものだ。カルテットほど尊いものはない。私たち弦楽器奏者にとっては、カルテットは最後に行き着く境地なのだと思う。そういう意味で、フェルメールの五年間は何ものにも代え難かった。」
彼女は、プライベートな理由で、円満にフェルメールから抜けたらしいが、もう二度と常設でカルテットをやらないだろうと思う。やれることはやったのだろうし、これから、そういう人間関係を新たに構築するエネルギーはもう、無いかもしれない。
チェロ 室内楽