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バッハの無伴奏チェロ組曲は全部で6曲あり、それぞれがプレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、メヌエット(またはブーレ、またはガヴォット)、ジークという6楽章からなる。昔は6曲あるいは3曲セットというのが多かったせいでだろうか、6曲残されている。
カザルスが晩年、月曜日はこれの1番、火曜日は2番、という順序で練習する、と言っていた。土曜日は6番、日曜日は?という問いに6番は難しいから日曜日も6番、と言ったそうだ。それほど6番ニ長調BWV1012は難しい。
何しろ、指定調弦は、下からCGDAEの五弦だ。普通のチェロの上にもう五度高い弦を張れというのだ。どんな楽器をバッハが想定していたのか知らないが、当時は今よりアバウトに様々な弦楽器があったらしい。
ほとんどのチェロ奏者が普通のチェロで弾く。鈴木秀美さんと話していたら5弦のチェロを作ったら?といわれた。普通よりやや小ぶり、3/4か7/8くらいのサイズで作ると良い、とのことだった。無伴奏チェロ組曲の6番を弾くためだけに一つ5弦のチェロを作る、というのは、趣味の王道を行くと思ったのだが、弦の入手が難しい。ナチュラルシープ(羊の大腸の結腸ヒモを乾し固め、加工したもの)なら適当な太さのものを使えばよいらしいが、こういう弦は弾き慣れていないので大変だ。
普通調弦で弾くと、弦一本、五度分高い音域まで弾かなければならないので、非常に難しくなる。近代奏法では左手の親指で弦を押さえる奏法が発達したので、なんとかなる。学生時代から時々練習してみたのだが、何カ所かどうにも弾き方がわからない所があり、あきらめていた。
去年、林裕氏のバッハ無伴奏チェロ組曲連続演奏会に行った。二晩に分けて行われ、6曲ともすばらしかったのだが、6番の完成度の高さには度肝を抜かれた。やっぱりコンチェルトプレイヤーは、難しければ難しいほど燃えるのだろうか、6番は本当に完璧だった。
早速、知人を介してコンタクトを取り、弟子入りを許可され、いま、この6番のプレリュードをレッスンしていただいている。私が想像もしなかった技法を伝授してもらい、一応、最後まで奏法がわかった。今、鋭意、練習中だ。
弾いてみると、なぜ、バッハが五弦を指定してこんな曲を書いたのか、よくわかる。いつ果てるとも知れぬ上行音型を弾くのには五弦による長大な音域が必要なのだ。
ニ長調という明るい調性もあって、弾いていると伸びやかな気持ちになる名曲だ。
チェロ