はかせさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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手首への思いやり

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 体の作りを知ると、自然に体の弱点について考えるようになる。内臓や脳がイメージできるようになるまでには年期が必要だが、骨や筋肉、腱は実物を見れば一目瞭然だ。私は医学部で教えているが、医師ではなく、他人の病気や傷害についてほとんど興味はないが、自分の体を正しく動かすことには、多大な興味がある。

 手首にはたくさんの腱が通っている。筋肉は前腕にあって、そこから出た細い(ゆであがったスパゲッティくらいの太さ)腱が指の骨まで伸びている。手首でちょうど腕時計を巻く位置に、腱が通るトンネル(手根管シュコンカン)がある。この細いトンネルの中を8本の腱(1本の指について、深指屈筋と浅指屈筋の腱が備わっているので2本×4本の指)が通っている。この8本は独立して動くし、トンネルの壁ともこすれるので、潤滑装置が必要だ。これが「腱鞘」。ねばねばした液が細い袋に入ったようなもので、腱に巻き付いている。これを酷使して炎症を起こすと「腱鞘炎」。

 弦楽器奏者もピアニストも腱鞘炎になる人がいるので、自分だけは腱鞘炎にならない方法を考えた。

 手首の関節(手関節シュカンセツといいます)は、「おいでおいで」をする時のように、手のひら側、手の甲側へ向かって屈伸することもできるし、親指側、小指側へ横に動かすことも出来る。
 ピアノの高音域を右手で弾くとき、体は真ん中に居座ったまま弾こうとするとき、手関節は親指側に曲がっているし、逆に真ん中のドを右手で弾くとき、手関節は小指側に曲がっている。

 手首を思いっきり手の甲側に曲げた状態でピアノを弾く動作をして指を速く動かそうとすると、いつもより動きが遅いし、動く範囲も狭い(これも小学生の時に気付いていた)。これは手首にあるトンネルのところで角度がついたため、トンネルの中を通る腱がここで急角度で曲がることになり、腱鞘に負担がかかっているのだ。
 この方向に限らず、手首を大きく曲げたまま指を動かすと腱が曲がり、腱鞘に負担がかかるだろう。

 このことに気付いて以来、チェロやピアノを弾くとき、両手首をなるべくまっすぐに保つように気をつけている。チェロの弓先を使うときはなるべく、右肘を体から離すようにするし、弦を押さえる左手の手首も常にまっすぐを保つ。初心者でよく、左手がコックしている人がいるがあれは危険だと思う。
 ピアノでは右手の高音域を弾くときはなるべく体ごと右に動き、右肘を右に動かすことで、手首が折れないように注意している。

 おかげで、一度も腱鞘炎にかかったことはない。

 チェロ ピアノ


日付:2007年08月06日

1件のコメント

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このブログ(日記)へのコメント

ピアニストの職業病に腱鞘炎とテニス肘があるのですが、テニス肘ってなんですかぁ?きっとテニスをしている人がなりやすいものですよね?

2007年08月09日 21時39分18秒

1件のコメント

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