はかせさんのブログ（日記）〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

　どのような脳が出来上がるかは、遺伝子で決まっているわけではない。新生児の脳はまだ、どこかどういう仕事をするかが決まっているわけではない。外から入ってきた情報が神経細胞間の連絡を通過し、筋肉を動かすための信号がそちらの回線を通過することで、脳はその人に特化した機能を持つように育ってくる。

　楽器を練習し、練習している他人を見ていて、子供は上達が早いし、楽器を弾くことが自然だ。小さい子供が楽器を習得するということは、組み立て中の機械に音楽機能を組み込んでいくようなものだが、大人の場合、他の目的のために作った機械を操作して音楽を実現しようとしている。

　だから、大人が楽器を習得する場合、子供と同じようにやみくもに反復練習をするのではなく、その機械をどう操作すると目的が達せられるかをよく考えた方が効果的だと思う。戦略が必要なのだ。

　私が心がけていることは、問題点を整理し、修正可能な欠点を見つけ出し、そこに意識を集中して練習する。
　大人は一度にたくさんのことを考えることができないので、問題点を一つずつまな板にのせて処理し、そこだけを繰り返し正しく練習して、神経細胞間の連絡を強化する、という形で覚え込ませ、そこが自動的にいくようになったら、次の問題点にとりかかる、というやり方だ。同時にあれもこれも気をつけながら弾く、というのは無理だと思う。

　子供は基本的に模倣で学習していくので、上手な先生を見ているだけで似てくる。

　チェロ　ピアノ