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ヴァイオリン属の楽器をこれまでに、Vnを2,Vcを1,Vaを2の順で作ってきて、今、久しぶりにVnを作っている。
楽器を作る工程には楽しいものとそうでないものがあり、楽しくない工程では滞り気味になり、楽しい工程にさしかかると、毎日、一生懸命にやる。とは言っても、時間で区切っていて、夜10時にはやめるし、休日も2時間×3(午前、午後、夜)を限度にして、やめている。一日の作業は、なるべく中途半端なところで終わりにする。ここまでできたら今日はやめよう、という考え方は、非常に失敗に結びつきやすいし、途中でやめていると、次回、始めやすい。もうちょっと続けたいところで終わりにするのが良い。大学の受験勉強中、時間になったら中途半端な状態でやめて翌日に回した方が、すべての面で結果が良いことに気付いて、その後は何事もそうしている。
作る工程には、ちゃんとやらないと、楽器として成立しない工程もあるし、いい加減でも音には影響しない工程もあるし、できあがった時、音色や音量に直接影響する工程もある。一番楽しいのはもちろん、音色や音量に直接影響するであろう表板と裏板の膨らみを作る工程だ。
最初のうちは、楽器として成立するか、が最も心配で、弦を張ったら楽器が壊れるのではないか、とか、ものすごく弾きにくく、音も満足に出ず、オブジェと化すのではないか、ということを心配していたのだが、だんだん、そういう心配はしなくなった。失敗したら、プロにお金を出して修理してもらえばよいのだ。
最初のVnは、表板、裏板の膨らみをどう作りたいか、などという意識もなく、ただ、刃物が動くに任せて作ったようなもので、今、見ても美しくなく、音色もよろしくない。それでも2年ずつ使い続けてくれた息子達には感謝!2台目のVnは師匠に膨らみの見方の原則を教わりながら、それなりに気をつけて作り、その後作った楽器は、まあまあ、自分の好みが多少反映された膨らみができ、そのせいか、どれも共通した音が出ているような気がする。
素人が作る楽器はあちこちアラがあるし、間違いもあるし美しくない点も多いのだが、意外に音色が良く、時としてプロが作った楽器より愛される楽器になることがあるのは、この膨らみに対する美意識が、たまたま良い結果に結びつく可能性があるせいだろう。
楽器を作る上での最大の楽しみは、この膨らみ方と板の厚みをこうやると、こういう性能の楽器がでるのではないか?というアイデアとその実現ということになる。今作っているVnはようやく、その工程にまでたどり着いたので、楽しくて仕方がない。
基本的に美観のことはあきらめているのだが、それでも、細部を綺麗に正しく作れそうな段取りを考え、それを試してみるのも楽しい。ある作業をしながら別の工程の段取りを一生懸命考えていたりする。
楽器作りだけでなく、すべての工作に、器用さなんて必要ない。そもそも、器用ってどういうことだろう?たとえば、大根を切るとき、正しく大根をまな板にのせ、手をすべて正しい位置に配置して、正しく研ぎ上げられた、良い菜切り包丁を正しく構え、正しい力の入れ方をすれば誰だって綺麗に切れる。そこに器用さなどというものは存在しない。うまくいかなかったとしたら、どこかの準備が間違っていたのだ。工作はこういう行為の積み重ねだ。
プロは絶対に失敗しない段取りで、正しい道具を使って作っていて、全然器用さなんかに依存していない。プロはアマチュアでも失敗しない段取りで作業し、アマチュアはプロでも失敗する可能性の高い方法しか思いつかず、運任せで何とかしようとする。
楽器作りだけでなく、楽器演奏そのものもそんな気がする。一生懸命やる、とかじゃなくて、頭を使って戦略的にアプローチし、正しい段取りで練習することが大事だ。「勤勉はバカの埋め合わせにはならない、勤勉なバカほど始末に負えないものはいない」というゲーテの言葉を思い出す。
チェロ ヴァイオリン(バイオリン) ヴィオラ(ビオラ)