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もともと、楽器を弾いたりプラモデルを作ったりする時間が惜しいのでテレビを見る習慣は無かったのだが、ホテルに泊まっていて暇なときなどに見ようとしても見たい番組が無いし、その内容が気に入らないことが多い。
F1のレースの中継とか、テニスの試合の中継などは興味があるのだが、放送の仕方が気に入らない。余計な解説とか、無意味なコメントは全部無しにしてほしいのだが。
イギリスのBBCのテニスの中継など、サーブを打ってからポイントが決まるまでの間、アナウンサーも解説者も無言だから、素晴らしかった。見ていて集中できる。そういえば、イギリスでテレビで見ていたとき、テニスの全英オープンの試合で一番面白いのはミックスダブルスだったのに、日本では全く中継しない。
ミックスダブルスは、男性プレーヤーが女性プレーヤを集中的に攻撃して良いのか、というジレンマ、あるいは、男性より強い女性プレーヤーの登場とかがが実に見ていて面白いのだが、テレビを作っている人がそういう人間ドラマのおもしろさを知らないのだろう。
今では、自分はテレビ番組を作る人間から相手にされていない、と結論づけている。テレビでコマーシャルしている商品を買う人だけをテレビ局が対象としているのだから、テレビコマーシャルを完全に無視する私の好む番組を作ってくれないのは当然だ。
それで、普通の放送を見ることはほとんどないのだが、BSとかBSハイビジョンには見たい放送が多い。せっせと録画して、夜10時から焼酎飲みながら見ている。ありがたいことだ。
先週、ケラスの演奏を見た。ケラスはカナダ人で、ルックスの良い男のチェリストだ。以前、ラフマニノフのチェロソナタをテレビで見て、その演奏を好きになった。今回は野平一郎氏のピアノでベートーヴェンの一番のチェロソナタの1楽章、後半はアルカント弦楽四重奏団でブラームスの1番の弦楽四重奏曲だった。アルカント弦楽四重奏団はケラスのチェロ、タベア・ツィンマーマンのヴィオラ、ワイトハース、ゼベクのヴァイオリンである。
野平一郎氏はベートーヴェンの解釈には定評があるし、ケラスは非常に音楽に忠実な演奏家だから、ベートーヴェンのソナタはとてもよかった。フレーズの取り方、ピアノとチェロとの受け渡しなども気持ちがよい。しかし、画面をじっと見ていると、どう考えてもおかしい。ピアノをあの弾き方をして、このバランスになるわけがない。絶対にもっとピアノがうるさいはずだ。それから注意して見て聴いていると、結構、ピアノパートの中の弱く弾くべき音もきこえている。
これはおそらく、生演奏を会場で聴いたらかなりピアノがうるさいと感じたであろう演奏を、録音して、ピアノが弱くなるように細工してテレビに流しているのだと思う。日頃、チェロソナタでピアノに叩きのめされそうになって苦労している身からすれば、あそこまで細部まできこえる弾き方をして、このバランスになるわけがないと判断できる。
後半の弦楽四重奏曲の演奏も素晴らしかった。ヴィオラのタベア・ツィンマーマンは、ヴァイオリンからヴィオラに転向したのではなく、分数ヴィオラで弦楽器を始めた人だそうだが、かなり大型のヴィオラを良く鳴らしている。ケラスもソロの時とは違う、抑制のきいた知的な演奏だ。四人のソリストが集まっているとは思えない緊密な演奏だしバランスも良い。
しかし、画面を見ると一人一本づつマイクが立っている。ということは放送されているバランスは、後から調節されていると、考えるべきだろう。
自分たちで演奏するとき、バランスというのは非常に難しいのだ。どういうバランスにすべきか、という戦略と、それを実行する技術の両方をよく考えなければならない。CDなどでは演奏後、どんな細工を施されているかわかったものではないので、信用しないが、演奏会の生録音だって後で細工されていて、テレビを信用することも出来ない。やっぱりテレビに映ることは嘘ばかりなのだ。
結局演奏会に出かけて、そこで聴いた一回切りの印象というものが、本当なのだろう。
チェロ ピアノ