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職場の人や友人に聞くと、驚くべきことに、家に自分の個室を持っている既婚男性はほとんどいない。私は小学校高学年から個室をもらっていたし、彼らの話を聞いても、親の家に住んでいたときは皆、個室を持っていたらしい。それが結婚とともに個室を失い、そのままずっと持っていないらしい。子供には個室を与え、父親には無いなんて!
公団の分譲の家を買ったとき、チェロを作りたかったので一部屋工作室に確保し、これが私の個室になった。その前の公務員住宅は狭かったので、食卓でプラモデルや、サルの骨格を組み立てていたが、毎回、片付けなくてはいけなかった。工作はやりっぱなしで片付けないのが基本なので工作室が必要だ。
書斎ではなくワークショップだ。工作中、工具や作りかけの物を動かされると困るので、カミさんには触るな、掃除するな、と言っておいた。自然に出入りしなくなった。息子のおもちゃなども作ってやっていたので(スクラッチビルトのトービーやパーシー(きかんしゃトーマスのキャラクタ)など)、彼らは自由に出入りする習慣になった。林望の「書斎の作り方」という本によると、彼は自分の個室に鍵をかけ、奥さんに出入りさせないらしいが、私はそこまではしていない。
父はかなり狭い家に住んでいるときから、自分の部屋を確保して(最初は廊下の隅をカーテンで仕切っただけの2畳もないスペースに小さな机を置いていたと記憶する)、籠もってラジオやステレオを作っていた。いつも作りかけのアンプなどが机の上でひっくり返っていた。私は父の部屋に自由に出入りできたが、いつもハンダの匂いのする部屋だった。
徐々に分かってきたのだが、既婚男性が家に自分の個室を持つことは決定的に重要だ。持つか持たないかがその男の一生を左右する。お父さんは家にいる時間が少ないから個室はいらない、という理屈をよく聞くが、完全に間違っている。個室が無いから家に寄りつかないのだ。
父は早く家に帰ってくる人だった。エンジニア出身の会社員で、仕事ではかなり成功した方だが、ほとんど定時で帰ってきた。子供の時から友人の父親は夜遅くまで帰ってこないと聞いていたので、うちは違うんだと思っていた。今思えば、父は自分の部屋が世界で一番居心地が良かったのだ。帰りに部下たちと酒を飲むより、自分の部屋に籠もっている方が何倍も幸せだったのだ。定時に帰れるように仕事の段取りをきっちり考えていたのだ。自分のペースで仕事が出来るように職場をコントロールしていたのだ。
籠もっているからといって家族と没交渉というわけではなく、入っていけば、最近買ったグールドのレコードを聴かせてくれたりしたし、訊けば勉強も教えてくれた。大学受験まで数学と物理は父の部屋で習った。しかし、直感的に、長居をしてはいけないと知っていた。
自分の部屋は非常に居心地がよい。部屋の中に自分一人で閉じ籠もっている、というのが重要だ。私がもし家に個室を持たなかったら、家に滞在する時間はずっと少なかっただろうし、下手すれば職場に住んでいるような人間になったかもしれない。たぶんチェロはやめただろうし、音楽を勉強することもせず、もちろん、楽器など作らず、本も読まず、平日は夜な夜な酒場で飲んだくれ、休日はソファーでテレビを見ている、そういう人間になったかもしれない。そのすべての分かれ目が、家の個室だったのだ。仕事一途で偉くなったかもしれないのでどちらが良かったかはわからないが。
毎日、夜8時から10時、休日はかなりの時間を自分の部屋で過ごしている。散らかし放題だ。自転車二台、ラジコン飛行機2機、完成したプラモデル、作っていないプラモデル、材木、大量の工具、雑誌や本、工作台、PCで足の踏み場もない。ときどき、息子たちが入ってくるが、ほとんど邪魔されることはない。楽器を作っていることも多いが、本を読んだり、ぼーっとしていることも多い。話しかけられたりすることもない。自分だけのために過ごせる時間だ。その間カミさんはカミさんで私に邪魔されることもなく、自分の好きなことをやっている。
チェロ ピアノ