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板が厚すぎると指摘されたヴィオラの削り直しが完了し、再び表板を横板に接着する準備が出来た。自分で接着しようと、表板を30個ほどのクランプで仮に留めてみたのだが、指板が邪魔をして、ネック側のブロックの部分にクランプがかからない。ここは特別なクランプが必要なのだ。それを作る気力が無く、プロにやって貰うことにした。
楽器作りではしばしばこういうことが起こる。ある特別な場面では絶対に必要だが、他では全く使わないという道具がある。プロはどんな修理にも対応できるように、様々な道具を作って用意している。ヴァイオリン製作家の工房の壁に、これ見よがしに並ぶ膨大な数の丸ノミには、スクロール(渦巻き)を彫るときの、ある1箇所にしか使わないものが多いのだ。
自転車を整備する工具にも、こういうものが沢山ある。自分でリムとスポークとハブを買ってきて自転車の車輪を組むのはとても楽しい作業だが、これには、ふれ取り台とセンターゲージというマニアックな工具が必要なのだ。これを買ってしまったので、時々どこも悪くない車輪のスポークを交換したりして遊んでいる。
このヴィオラの板が厚すぎることは、完成した楽器を分解することなく、各部の板厚を測った結果明らかになった。普通のキャリパではこんなことはできない。特殊な測定器があって初めて可能になる。最近出入りしている楽器屋がこの測定器を持っている。写真のようなもので、小さな磁石(ピップエレキバンの磁石をちょっと大きくしたくらいで、赤く塗られている)をf字孔から内部に入れ、この計測器の先端をこの磁石と表板越しに対面させる。磁石が吸い付いてくる。計測器の反対側にある黒いぼっちのついた棒を徐々に引き抜いていくと、あるところでかちっと音がする。その棒の下の方に指示針があり、この音がした時の針の位置で目盛りを読むと、ここでの板厚がわかる。
楽器屋は計器誤差を測定したらしいがかなり正確だそうだ。私はこういう機械が大好きだ。早速ドイツに注文した。DICKというところで扱っている。1mmから8mmまで測れるからチェロも大丈夫。208ユーロというからかなり高価だ。到着したら、家中の楽器の厚さを測りまくるだろう。これがあれば、製作中に板厚を記録しなくても、いつでも測れる。
以前、電動のラジコン飛行機の動力用のバッテリーを充電するために、ドイツ製の充電器(これも高価だった)を買ったら、充電した時、何アンペアアワー入ったか、放電した時、何アンペアアワー出たかが分かるようになっていて、家中の充電池を測りまくったことがある。
これだけ、外国との交流がさかんになってヨーロッパがEUになっても、まだ、その工業製品に何となく国ごとの特徴は残っているのがおもしろい。
こういう測定器と、光学機器はドイツ製が好きだ。カメラのレンズ、顕微鏡、実態顕微鏡はライカやツァイスといったドイツのメーカーが好み。
チェロは自分で作らないのだったらフランス製に好きなものが多い。膨らみに共通する特徴があり、音色も煙草臭い感じ(煙草は嫌いだが)があって惹かれる。また、好んでそういう煙草臭い音を出していた、トルトリエとか、ナヴァラといったチェリストも好きだ。
自転車のフレームとサドルはイタリア。美意識が凄い。自動車はイタリア製とイギリス製を愛用している。アルファロメオというイタリア車は外観、内装、エンジン音のすべてがセクシーだ。人生は楽しむためにあるのさ、あとのことはマリア様が面倒を見て下さる!という主張が聞こえてくる。
ロータスというイギリス車は、いかにもイギリス人スポーツマンの人生観に合致して、運転が楽しいという一点に特化しており、あとは、質実剛健だ。乗り降りが大変だろうが、急に雨が降ってきた時幌をかけるのに時間がかかろうが、着座位置が低くて駐車場の発券機に手が届かなかろうがスポーツマンたるものには問題ではない。ドイツ車は何台か乗ったけれど、ドイツ人の人生観を押しつけてくるので、好きになれなかった。
刃物の刃は日本。あの、軟鉄と鋼を貼りあわせて作る日本の刃物は素晴らしい。イギリス製の西洋カンナに無改造で装着できる日本式の刃(日本の会社が作っている)があって、もともと付いていた刃よりずっと切れ味が良く、研ぎやすい。包丁も、ドイツがいくら威張っても日本式が最も使いやすい。ただ、日本式の刃物は日本製品としては珍しく、全く素人向けではない。正しく取り扱い、正しく研げる人だけが使う資格がある。
チェロ ピアノ