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山崎伸子さんが演奏した曲のうち、最も最近に私が演奏したのがブラームスの2番ヘ長調op.99だ。1番ホ短調op.38とは大分違う。ヘ長調らしく、華やかで、音域が広いのが特徴だ。第1楽章は広い跳躍音型を繰り返し、相当の高音域まで行く。これだけでかなり難しいのだが、この曲の難関は何度も出てくるトレモロの18連符だ。二本の弦を交互に使って弾くようになっているので、超高速で移弦しなければならない。
昔、先生に聞いたら「ほとんど重音ですよ。」と言われたし、レコードやCDを聴いても、重音で弾いている(ドソドソドソと弾かずに、ドとソをずっと一緒に弾く)人が多かった。でも、ロストロポービッチなど何人かは、ちゃんとクリアに移弦している。つまり、人類に演奏可能なのだ。私に出来ないわけがない。
チェロで移弦するときに使う技術で、右手指で移弦する、というものがある。たとえばD線とG線との移弦の場合、D線を弾く腕の位置とG線を弾く腕の位置は違うのだが、その中間に右腕を位置し、右手指の屈伸でD線を弾いたりG線を弾いたりするというやり方だ。当初、この技術でやるのだと思って練習していたのだが、うまくいかなかった。
ある時、ジャクリーヌ・デュプレのヴィデオテープを見ていたら、一瞬だけここが写っていて、なんと、指による移弦を使っていない。肘を中心にくっきりと弦を交互に弾いているのだ。確かに、これの方がキレがよい。それからはこちらで練習した。メトロノームをかけて徐々にスピードを上げて練習した。1年以上これの練習をして、ようやく、なんとか重音ではなく、交互に弾いている、と聞こえるように弾けるようになって、本番で弾いた。
山崎さんがこの難所をどう弾くのかと、興味津々で見ていたのだが、一番最初にこの形が出てきたときはほとんど重音で弾いた。しかし、それが説得力があるのだ。ここはフォルテで迫力が必要で、それには圧力をかけて重音に近くした方が良いのだ。
展開部に入って、長々とこのパターンが続くところがあるが、ここではくっきりと二弦を弾き分けた。もちろん肘を中心に腕で移弦している。ここは和音進行を聴かせるところで、旋律はピアノが持っている。この部分をクリアに弾きつつ、通奏低音的に曲をリードしていく様子が素晴らしかった。長いフレーズを実に音楽的に処理していた。ピアニストがちらちらとチェロの方を見て窺っていたのがちょっと興ざめ。
コーダの部分では少しテンポが落ちているところをこの18連符で綺麗に示し、これも非常に音楽的だった。
うーむ、なるほど。もう一度この曲を弾きたくなってきた。
チェロ ピアノ