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無事、裏板が横板に接着できた。次に表板の接着だが、その前にやっておくことが二つある。
まず、ラベルを貼ることだ。素人が作ったひどい出来のヴァイオリンであっても、ラベルは貼るべきだと考えている。
一番最初にヴァイオリンを作ったとき間に合わせで作ったラベルの形式を踏襲している。そのときはIBMのタイプライターが手元にあり、これは、黒いテープを活字の形に打ち抜いて紙に貼り付ける原理で非常に印字品質が良かったし、水にも強い。このタイプライターで自分の正式な名前(学術博士のタイトルがあるので、イギリスでは、名前の後に、Ph.D.が着く)と、地名(当時はChiba)と年号を2行に打ち、ラベルとした。
その後も楽器を作るたびにこうやってラベルを打っている。ただ、IBMのタイプライターはすでに無く、ワープロで、同じCourierのフォントで印刷し、コピーをとって貼り付けている。インクジェットは水ににじむのでコピーだ。
息子が担任から借りっぱなしにしているヴィオラは、アメリカ人が作った新作で、まだ、5年くらいしか経っていない。とても良い楽器だ。息子はあちこちで楽器をほめられると言っている。これは担任がジュリアード滞在中にヴァイオリンからヴィオラに転向したとき、注文で作らせたそうだ。とても良い楽器だから、作者を知りたいのでラベルを見るのだが、手書きで筆記体で書いてあって読めない。かろうじてマサチューセッツだけが読める。通し番号らしい番号があってop.いくつ、と書いてある。
ラベルの他にやっておくことはエンドピンの穴をあけることだ。あとでもあけられるが、木くずが内部に入り出にくいし、内部のバリを掃除できなくなる。
エンドピンの穴は左右方向に曲がってはならないが、裏板側から表板側にかすかに傾くようにあける。あとでテールガットで引っ張られたとき、エンドピンがゆるむ方向に作用しないためだ。ヴァイオリンでは神経質になる必要はないが、チェロではエンドピンがぐらつく原因になるので、まっすぐでは怖い。
電動ドリルで細い穴をあけ、徐々に大きいビットで穴を大きくしていき、最後はリーマでテーパをつけ、エンドピンときちきちになるように穴を仕上げる。
これらの作業が終わり、表板側のブロックに膠を吸わせてクランプをかけたところが下の写真だ。
これから一部分づつ(6個あるブロックの間が単位だ)クランプをはずし、表板と横板の間の隙間に油絵用の薄いペインティングナイフで膠を入れ、再度クランプをかける。直ちに筆でお湯を塗りティッシュペーパーで吸い取る。こうしないと、はみ出た膠が固まり、ニスをはじくようになってしまうのだ。あとで削っても木に吸い込んだ膠は取れない。この作業を6回繰り返す。これは手早くやらなければならない。緊張する作業だ。話しかけられても返事などしないし、電話にも出ない。誰もいない時にやるのが理想。
こうして表板が着くと「箱になった」と表現されるようだ。貯金箱にいかがですか?
チェロ ヴァイオリン(バイオリン)