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ヴァイオリン製作も大詰めだ。ネックを本体に取り付ける作業を少しずつ進めている。これはかなり難易度の高い工程だ。絶対に焦らないことを自分に言い聞かせながら作業している。
ネックの付き方は厳密に決まっていて、これを守らないと弾けないヴァイオリンになってしまう。あるいは弦を張ったら壊れる。
・表板上端で指板は表板から6.0-6.5mm上に出る。
・指板の真ん中の延長線は、駒の位置で表板表面から26.5-27.0mm上を通る。
・指板のネック側の端(ナッツとの接合部)から本体上端までの長さは130.0mm
・ネックの中心線と本体の中心線は一致。
・ネックが本体に対して捻れてはいけない。
・接着面はすべて完全に隙間無く。
こうなるように、本体上部に溝を掘り、ここにネックをはめ込む。ネック側は本体との接合面は最初に平面に仕上げておき、以後は触らず、裏板のボタンとの接合面(ヒール)だけを削っていく。
最初に小さめの溝を掘り、チェックし、修正しながら徐々に溝を大きくしていく。裏板のボタンにネックのヒールが当たったらここを少し削る。
だんだん分かってきたことは、どこをチェックするか、どうやって厳密にチェックするかが一番大事だと言うこと。たとえば、ネックと本体とが捻れていないか?ということを調べるとして、まあ、スクロール側から、スクロールと表板が見通せるようにして見るわけだが、どこをどう意識して観察すれば厳密にチェックできるかを考えておかなければならない。自分が作ったスクロールそのものが完全に左右対称になっていることが信じられればそこを見ても良いだろうが、あまり自信はない。この場合、ネックと指板との接着面の水平を信じて、ナッツの位置に真っ直ぐな棒(20cmくらいの長さの棒ヤスリを使っている)でも乗せて見れば大分精度が増す。
中心線のチェックも、駒を表板の定位置に置いて、指板の側面の延長から駒のはみ出し方を左右を比較すれば厳密さが増す。
刃物を扱う技術も大事だが、チェック能力の方も重要なのだ。チェックして狂っていた場合、どこを削ると修正できるかは、ちょっと考えればすぐにわかるので、そこを少しだけ削り、また、チェックする。
師匠の店で製作を習っていたとき、一番すごいなと思ったことは、いま、どこを削るべきなのかという判断の的確さと速さだったが、今思えば、それはチェック能力だったのだ。素人の工作がダメなのは工作技術が低いせいと刃物の仕立てが下手なせいだと思っていたが、どこをどうチェックしたらよいかが分からないので、まあ、いいかと先に進んでしまう方が問題だろう。
楽器の演奏でも全く同じで、自分の演奏をチェックする能力が非常に重要だと思う。
自分の演奏を録音して聴く。そして、問題点を挙げていく。音程は?テンポの変化は自分のイメージ通りか?クレシェンドのコントロールは?フレーズの取り方は?間が必要な箇所は、必要なだけ間が取れているか?
室内楽の場合、練習しながら問題点を発見することも重要だ。誰かが弾きにくそうにしているとか、和声のイメージが狂っている人がいるとか、ぴったりタイミングが合わなければならないと箇所を、強引に力ずくで処理しているとか、同じ旋律の処理が人によって異なっているとか。
問題点を発見したら次に、どこをどうすれば、それが修正できるかを考えなければならない。こちらも簡単ではないが、問題点を発見するよりはやさしい。弦楽器の音程が正しくない、という場合でも、単純にそこを気をつけましょう、ではだめなことがほとんどだ。音程が外れるときには、理由があって外れていることがほとんどなので、その理由を考える。
最終的に、実行可能な処方箋を作って練習し、また、チェックする。その作業が実に、ヴァイオリン製作によく似ている。
チェロ ピアノ