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ラベルのトリオを一緒にやったヴァイオリニストが東京から練習に来る日が近くなったので、そろそろ約束のフォーレのトリオの練習をしたいと思い、上の息子に練習台を頼んだ。大学の1,2年の頃はヴァイオリンを弾くことを頑なに拒否したものだが、二つ返事でつきあってくれた。新しくできた白木のヴァイオリンが気に入ったらしく、こちらで弾くという。
フォーレのトリオはかつて二度、プロのヴァイオリニストと演奏会で弾いたことがある。フォーレの晩年の名作だ。
フォーレという人は終生そのカラーは変わらなかったと思うが、作品の取っつきやすさは若いときと晩年ではひどく違う。エレジー、1番のヴァイオリンソナタ、1番のピアノ四重奏に代表される若いときの作品は親しみやすく、誰もがその魅力を理解できるだろう。この世界をイメージして晩年の作品、たとえば、2曲のチェロソナタなどを聴くと裏切られるかもしれない。ある友人はフォーレの晩年の曲を「老いの繰り言」と評したが、そう取る人がいても不思議ではない。
フォーレは晩年、ある種の病気にかかって音域によっては音が聞き取れなくなったと言われ、そのせいか、この最晩年のピアノトリオではヴァイオリンとチェロが同音(オクターブ離れていないという意味)でユニゾンが続く。チェロでは比較的高音域だ。私はフォーレの耳の病気のせいではなく、フォーレの美意識の反映だと感じてこのユニゾンを弾いている。
全三楽章で流麗な1楽章、美しい緩徐楽章、スケルツォっぽい3楽章からなる。
久しぶりに弾いてみたのだが、20年前の自分の書き込んだ指使いの正しいこと!自分の好みを活かした弾きやすい指使いで、わかりやすい書き込みだ。楽譜への書き込みは自分に対する命令書だが、実に正しい命令が書いてある。この曲のチェロパートは難しいところが多く、ポジションを間違えると全然弾けなくなるのだ。
最初にこの曲を弾いたとき、カミさんが伴奏の仕事をしていた女性合唱団の本番で弾かせてもらったのだが、合唱団を指導していた、有名なバリトンの歌手に「全体に素晴らしかったけれど、ユニゾンの音程が−−−」と言われた。ユニゾンが長いし、チェロで正確に音程を取るのが難しいのだ。
息子はヴィオラ弾きで、ヴァイオリンの手の感覚を忘れているし、楽器は白木で、調弦はどんどん下がる。この子とは思えないほど音程に苦労しているのだが、ユニゾンのところは完璧に音程を合わせてくれる。私がミスをして音程が少し狂うと、その狂った音程に合わせてくる。
そのことを聞いてみると、学生同士でベートーヴェンの11番の弦楽四重奏曲「セリオーソ」を弾いたとき、ユニゾンの弾き方を研究したそうだ。ユニゾンはもちろん、低音主導で弾く。それで、ヴィオラやヴァイオリンはごくわずかにチェロより遅れて発音し、チェロの音程に微妙に寄り添って修正する準備をしておくのだそうだ。
そしてそのあと一言。お父さんの音程の取り方の癖はわかっているから予想がつくんだよ。
チェロ ピアノ