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ヴァイオリンは塗装工程にある。ヴァイオリンの塗装は、生地着色−下塗り−着色ニス−コーティング−磨き−というステップがある。
生地着色は、木を染料で染める。最近作ったヴィオラは2台とも生地の染め方が薄く、仕上がりが明るすぎるという批判があったので、しっかり染めようと考えた。タマネギの皮を煮出す、コーヒーと紅茶を使うとか、いろいろアドヴァイスを貰ったのだが、テストしてみると思ったほど色が着かない。それでヴァイオリン用のニスセットについてきた粉末の着色剤を、指定よりずっと薄くエタノールで溶かして塗った。
これがよろしくなかった。エタノールはどんどん蒸発するので塗っている最中にどんどん濃くなる。むらができてしまった。まあ、塗っていけばあまり目立たなくなると期待しよう。
続いて、クチナシの実で黄色く染めた。スーパーマーケットで売っているクチナシの実を砕いてエタノールに漬け色素を抽出する。できた溶液は赤いのだが、木に塗ると黄色く着色される。栗きんとんの色だ。
次は下塗りだ。これは目止めのために塗る。着色ニスが木目に沿って染みこむと、表板の上下のように木目が切れている部分からたくさん色が入ってむらになる。これを防止するために透明でべとべとしたニスを塗るのだ。これをしつこく塗ると、ぴかぴかの仕上がりになるが、今回はニスのマニュアル通り3回、ただし、少し溶剤で薄めて塗った。
ニスにはアルコールニスとオイルニスがある。どちらも楽器材料店で容易に手に入る。昔は師匠に分けて貰ったアルコールニスを塗っていたが、一度も綺麗に塗れたためしがないのであきらめ、ヴィオラからはオイルニスを塗っている。こちらの方が素人にはやさしい。
オイルニスはテレピン油を主体とする溶剤に樹脂とか色素とかが溶けている。テレピン油は油絵で使うらしいが、医学では組織の切片の染色で使用することがあるので、私にはなじみ深いものだ。匂いが懐かしい。筆を洗うのはテレピン油を使っている。
この辺の道具立ては油絵に近く、ものによっては画材屋で売っているものを使うこともある。オイルニスがなかなか乾かないときに使うシッカチーフという薬など、画材屋で入手するし、リンシードオイルなんかも楽器に使うことがある。
オイルニスの下塗りを塗ったところで、サンドペーパーをかけ、塗りむらをならす。削って出た粉を拭き取り、いよいよ着色ニスを塗る。今回は少し暗めで赤めになるといいな、と考えてニスを選んだ。
1度溶剤で半分くらいに薄めた黄色っぽいニスを塗り、今朝は赤っぽいニスをやはりちょっと薄めて塗った。最初は薄めておいて様子を見た方が安全なのだ。濃すぎるニスを最初に塗ってムラになると、このムラはあとからなかなかとれない。自分のチェロを弾きながら、このムラはひどいね、と自分でよく思う。
オイルニスは1日経てば乾く。乾いたらサンドペーパーでムラをならし、また塗る。一日一回ずつ塗りながら、好みの色に近づけていく。うまくいくかどうか、わからない。
今回のヴァイオリンは裏板が一枚板だが、白木の時は大して模様が目立たず、つまらないと思っていたのだが、塗り始めたら大分、模様が見えてきた。裏板の材料は、この模様の綺麗さで値段が違うのだ。折角高い材料を使ったのだから、見栄えが良くなってくれないと困る。
塗って光沢が出てくると、隆起もよく見えてくる。白木の時、表板の隆起には満足していたが、裏板はよくわからなかった。まだ塗り始めたばかりだが、この裏板のふくらみは、かなり好みだ。
なんとか綺麗に塗れれば良いのだが。
チェロ ヴァイオリン(バイオリン)