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テレビで二日連続、同じシューベルトの弦楽四重奏曲 ニ短調 D.810「死とおとめ」を違う弦楽四重奏団の演奏で放映していたので、録画して観た。先に見たのがライプチヒ弦楽四重奏団、翌日がウィーン弦楽四重奏団だった。
この曲はとても好きな曲だし、学生時代に組んでいたカルテットで一年以上練習したことがあるので思い出深い。
第一楽章は緊迫した全員のユニゾンから始まる素晴らしい楽章。第2楽章は自作の歌曲のピアノパートによる変奏曲。大作曲家は皆、変奏曲が上手だが、シューベルトも素晴らしい。変奏ごとの性格の違いがはっきり書かれているし、伴奏も弾いていて楽しい。第3楽章はスケルツォ。厳しいスケルツォ部分と易しいトリオ部分の対比がロマン派らしい。
第4楽章はシューベルトらしく、様々な旋律が出てくるが、その中に自作の歌曲「魔王」の旋律が出てくるのが素晴らしい。魔王という歌曲は語りの部分(風が吹きすさぶ夜に馬を走らせていくのはだれ?−−)という部分と、馬上で病気の息子を励ます父親のせりふ、そして死の世界へ子供を誘う魔王のせりふがあって、その魔王のせりふだけが長調、という劇的な作りだ。カルテットに使われているのはこの、魔王の歌う毒を含んだ長調の旋律なのだ。
同じ曲を続けて聴いてしまうと、優劣は明らかについてしまう。ウィーン弦楽四重奏団の方がずっと良いと思った。音程からして気持ちよい。ただ、ウィーンフィルハーモニーの団員で構成するカルテットで共通する、どこか縛りが緩い感じというのがあって、たとえば全盛期のアルバン・ベルク・カルテットのような完璧な合い方ではない。そこがとても魅力的に感じた。
テンポの変化の合図も、誰から出ているのか分からないくらい微妙なボディアクションで、気持ちよい合い方だ。最近の現代風の弦楽四重奏団の演奏は、作りのわざとらしさ、聴衆への視覚的アピール、自分たちだけの特徴を強調する感じがあって、少し食傷する。ウィーン弦楽四重奏団の演奏は、もちろん正しくアナリーゼしてあるが、ごく自然で心地よく聞こえる。
これを聴いていて、ああ、この曲を弾きたいと強く思った。私にとって音楽は聴くものではなく演奏するものなのだ。
ウィーン弦楽四重奏団のアンコールはモーツァルトのハ長調の弦楽四重奏曲「不協和音」の2楽章(緩徐楽章)だった。これは曲も名曲中の名曲だが素晴らしい演奏だった。聴いていてふと思ったのだが、モーツァルトのコーダには曲が終わってしまう悲しさが感じられる。
交響曲第41番ハ長調「ジュピター」の終楽章のコーダに入ると、モーツァルトが「人生はすばらしい!だけど、僕はもうすぐお別れなんだ!」と言っているような悲しさを感じるのだが、同じような気持ちをこのアンコールを聴いていて感じた。
チェロ 室内楽