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プロの演奏家が、一時的に組んだ弦楽四重奏を聴くことがある。名手が四人集まって演奏すると、聴衆も多く、興行的によいのだろう。音楽祭なんかでよくやっている。
しかし、何年も固定メンバで組んで活動している弦楽四重奏団に比べると、やはり、どこか違うと感じることが多い。自分が出たい、目立ちたい、という意志が表に出てしまうような気がする。固定メンバの中で弾いていると、お客に自分をアピールしなくても、他のメンバが弾きやすくなればそれでよいと思えるが、臨時で集まった場合、そこまで身を殺せないのかもしれない。
これは曲にもよって差が出る。たとえばモーツァルト、ハイドンなどはもっとも明確に違いが出る。ベートーヴェンなら多少楽だし、ドヴォルザークだと臨時でも充分よい演奏ができる。
二年前に、いつも一緒に室内楽を楽しんでいるヴァイオリンのMさんと、大阪梅田のフェニックスホールという室内楽専用の素晴らしいホールを借りて、コンサートをやったことがある。この時、メインをカミさんのピアノで大公トリオ(ベートーヴェン、ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調作品97)に、という選曲はすぐに決まり、次にシューマンのピアノ四重奏曲変ホ長調作品47が決まった。
何か弦楽四重奏をやりたいと考えたが、ずっと一緒に弾いていた息子は東京の音楽大学に行ってしまい、ちょっと無理。それで、別のヴィオリストに入ってもらって弦楽四重奏を弾くことになった。このヴィオリストはとても上手で、何度も演奏は聴いたことがあったが、私が一緒に弾くのは初めてだった。
ヴィオラとチェロは弦楽四重奏では非常に親密だし、ヴィオラと第2ヴァイオリンもそうだ。我々は、息子のヴィオラにすっかりなじんでいたので、不安があった。それで、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンは無理だと考え、ドヴォルザークの「アメリカ」(弦楽四重奏曲第12番ヘ長調作品96)を選んだ。
「アメリカ」は素晴らしい曲だ。弾く喜びに満ちている。各パートにおいしい旋律がふんだんに出てくる。特にヴィオラは作曲家に偏愛されていると思う。この曲は4人の密接なコンタクトよりも、旋律をいかに歌うかに主眼をおいて演奏することが大切だ。それで、臨時編成の弦楽四重奏団が演奏する曲として最適だと思ったし、それは正解だったと思う。
息子は音楽大学で室内楽が必修だ。毎年、違うメンバで室内楽を勉強し、試験を受ける。今年の4月から組むのは、男ばかりでシューベルトの鱒の五重奏を弾くほかに、女の子三人と弦楽四重奏だそうだ。こちらのメンバは弦楽四重奏初心者が多いので、どの曲をやればよいだろうか、と息子に相談を受けた。しばらく考えたのだが、まず、「アメリカ」をやって、弦楽四重奏の楽しさを実感させてあげたら?と答えておいた。そういう面でも、この曲はありがたい曲なのだ。
弦楽四重奏は地味で陰険で嫌い、と感じる人でも、この曲は好きになるのではないだろうか。
チェロ 室内楽