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バッハのヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードのためのソナタ第3番:練習中

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 ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードのためのソナタ第3番は、だいぶ形になってきた。ポジションはだいたい確定した。
 昔からインターナショナル版を持っていたのだが、ベーレンライターの新しい原典版を買って比較してみた。音が何ヶ所か違うし、スラーのかかり方、トリルの指定がかなり違う。本来なら原典版を尊重すべきなのだと思うが、この曲の場合、そもそもチェロとピアノで弾くこと自体が原典に忠実ではない。そう考えて二つの楽譜を比べてみると、インターナショナル版はチェロとピアノという楽器のことをよく考えていると言える。そんなことを頭に置いて二つの楽譜を見比べながら、弾き方を決める作業も練習と並行して行っている。

 ここのところ、ソナタ形式にどっぷり漬かっていて、ソナタ形式を解釈することばかりやっていたので、それ以前の音楽だとかなり取り組み方が違う感じだ。また、鍵盤とチェロとに、主旋律と対旋律とか、旋律と伴奏とかが割り振られたときのバランスも、ベートーヴェン以後のチェロソナタとはかなり違う。ハープシコードという楽器は基本的に音量調節ができないから、伴奏に回ったからといって静かに弾くわけにはいかない。それを前提にバッハは作曲しているようで、伴奏を弱く弾くと間が抜けてしまう感じがある。

 それにしても、これは楽しい曲だ。バッハの生命力の強さを感じさせるビート感があるし、終楽章など、フガートとカンタービレが交互に出てきて、その対比が美しい。それが徐々に力強くなり、盛り上がってフィナーレを迎える。やはりバッハはベートーヴェンと並ぶ大作曲家だと実感する。

 この曲をピアノとチェロで弾いた録音はあまり多くない。昔から持っていた(父のコレクションから抜き出してきた)、グールドとローズのレコードを聴いてみた。これが発売されたときに聴いた印象はグールドは良いけれど、ローズが引きずり回されているようでチェロ弾きとしては辛い、というものだったが、今聴いてみてもそうだ。グールドの解釈をローズは本質的には納得していなかったのではないだろうか。あとはアンジェラ・ヒューイットのピアノによる録音を聴いた。これは自然で、良い演奏だと思うけれど、ミュラー=ショットのチェロが少しおとなしすぎるように感じる。チェロは、やはり、トルトリエの弾き方が私は好きだ。これはピアノではなく、ロベール・ヴェイロン=ラクロワのハープシコードとの演奏だが、この曲の持つ躍動感がよく表現されているように思う。

 チェロ ピアノ


日付:2008年02月16日


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