はかせさんのブログ（日記）〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

　カミさんはビオラで、ある弦楽合奏団に参加している。ここの指揮者は結構上手なチェロ弾きで、旧知の友人である。この指揮者から、この団の次の演奏会に出てくれないかと頼まれて一応承諾していたのだが、やっぱり断ることにした。
　この団は雰囲気は悪くないのだが、上手な人がほとんどいない。そして、下手でも入れるということが人気を呼んで、どんどん人数が増えている。また、弦楽合奏に適した曲はあまり沢山無いようで、すぐに曲が枯渇してしまう。それで、オーソドックスとは言えない曲に手を出すが、そういう曲の各パートを責任を持って弾ける団員などいない。それでずいぶん沢山人数がいるのに、外部に助けを求めることになる。

　私はエキストラメンバーを雇う、という行為自体があまり好きではないが、困っている人を見捨てるのも気の毒だと思って承諾したのだが、最終的に断ったのは曲が嫌いなせいだ。
　次の演奏会の曲目はバッハが２曲と、２０世紀の音楽が２曲だが、バッハは人数が有り余っていそうで弾かなくて良いらしい。２０世紀の音楽の一つは、学生時代に所属していた合奏団で一度弾いたことがあるけれど、一度は拒否権を発動したが説得されていやいや弾いたくらい嫌いだった。もう一曲はやたらにパート数が多く、リズム、テンポがしょっちゅう変わる曲で、ＣＤ聴きながらスコアを読んで予習していたのだが、そういう勉強に値する曲とは到底思えない。

　先日テレビで、ある日本のプロオーケストラの演奏会を放送していて、息子が映っているというのでカミさんが録画していた。それを見ろというので昨夜見ていたのだが、私が強いアレルギーのある作曲家の曲なのだ。音を弱くして早送りしながら見ていたのだが、それでも次第に自分が不機嫌になるのを抑えることが出来ない。

　きっと、その合奏団に手伝いに行っても同じような精神状態になるだろうし、下手すれば無礼なことをして、人間関係を壊すかもしれない。それでやはりお断りすることにした。

　周囲のアマチュアプレイヤーに、私ほどわがままな人はいない。みんな、嫌いな音楽はないのだろうか？嫌いな音楽でも弾けるのだろうか？ロストロポーヴィッチは「演奏家は娼婦と同じ、どんな作曲家の相手もする」と言っていたが、どういう感覚なのだろう？

　チェロ　ピアノ