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外は春の嵐。
昨晩から風の音がうるさくて、眠っていても起こされてしまうくらいでしたが、とうとう雨が降り始めました。
私はうとうとしたい気分をこらえて、これを書いてます。
今週に入ってから自宅で聴いているのは、器楽曲や室内楽曲ばかり。
桜の開花前線は、思ったよりも順調に北上をしているようだけれど、なぜか心の中には不安要素がいくつか思い浮かぶ…。
シューベルトの「夜と夢」を毎晩のように聴いてから眠りに入った。
歌曲の演奏ではなくて、マイスキーがチェロで弾いているもの。
同じCDに収められている成田為三の「浜辺の歌」も、とても素晴らしい演奏だと思う。
「浜辺の歌」の歌詞は分かるけれど、「夜と夢」の歌詞は私には分からない。
でも今は、それで良いと思っている。
そう言えば、NAOMYさんにご紹介いただいたミヨーの「ルネ王の暖炉」。
これも木管五重奏曲で、音源はニコ動だったけれど、とても優しい気持ちになれる名曲でした。
細部まで注意して聴いてみれば、とても凝った作りになっていて、
それぞれの楽器の使い方などに興味を向けてみても面白い作品だと思う。
けれども最近、音楽を聴くということに対して懐疑的になっている自分が居ることに気が付き、心から楽しむことが出来ない。
仕事のこと、家のこと…色々とあるけれど、
今は明日の演奏会のことが気がかりで仕方がない。
なんだかんだと言ったって聴く側は気楽なものだ。
果たして、本当にそうだろうか。
現役の団員の方が書かれているブログを、ひょんなことで発見し、時間をかけて読ませていただいた。
その方が仰るには、去年の春の演奏会。
指揮の先生と聴衆の反応は、すこぶる良いものであったけれども、まだまだ課題は山積みであったとのこと。
足りないところも十分にあったと。
実は演奏中に、奏者の方もそれぞれに色々なことを思っているのだと知って、私は正直おどろいた。
それは、自分の受けた印象とはまるで違うものであったから。
記憶を辿ってみれば、それは美化されてしまうこともあるのだろうけれど、
コンマスだった方の演奏への入念ぶりや、チェロの主席を務めた方のとても楽しまれている様子…
そして何よりも、力強い演奏であったことには間違いなかった。
演奏を聴いていた時の私は、とても平静の状態ではなかったかもしれない。
でも、感動は今でも私の心の中に確かにある。
さて、明日はどんな一日になるのかな?
楽しむことって、少し振り返ってみると、なかなか難しいこともあるのかもしれない。
でも私は、演奏会に行く一日というのは、何よりも楽しみなことだ。
演奏そのものはもちろんであるけれど、その日一日がどんなふうに過ぎていくのか、それを丸ごと楽しんでしまおうという思い。
そしてそれは、ある意味では闘いなのだろう。
勝ち負けがあるとか、何と闘っているのか、その実体を意識することなどできなくても、音楽をより深く愛するための闘い。
…ということにしておこう。
雨は早くも止んだみたいだ。
作曲家 交響曲 ヴァイオリン(バイオリン) チェロ 室内楽