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息が切れてしまいそうなほどの急な坂を登り切って、
その少し先にある小さなホールで、昨日はとある演奏会に訪れた。
駅を出てすぐの大きな交差点を渡ると、人工の池に架かる橋があって、
橋の上から見渡した新緑がとても眩しかったのに、
目的地に着く頃にはすっかり日が陰ってしまっていた。
――「お元気ですか〜〜!?私は元気です!!」
猪木さんの登場ではありません。
これは、ある日本映画のラストシーンで主人公によって叫ばれる言葉ではあるけれど、
言葉には「言霊」が宿ると言われるように、音楽にもきっと「音霊」は宿っているに違いない。
いろいろな意味で、驚きと発見のある演奏会ではあった。
けれども、生涯2度目となる途中退席をしてしまった…。
音楽を聴きながらそれぞれ別の意味で体が震えを起こしてしまったからだ。
ソリストとオーケストラがあまりにも対照的で、
それだけを捉えてしまうと、しばらく経っても忘れられないくらいの体験であるのかもしれない。
自分自身がどう逆立ちしたって、できないことであるから技術的なことは本当はあまり言いたくない。
けれども、弱音というのは、文字どおり「弱く」奏することであって、
音を「小さく」、「曖昧模糊」とすることではないはず。
もっと言えば、それをカバーするだけの工夫なら私はして欲しいと思った。
残念ながら、それが伝わってくる気配もまるで感じられなかったので悲しくなってしまったのだ…。
言いたいことはこれだけではないのだけれど、
音が、「生きていなくて」、怖気づいてしまった。
でも、その悲しさと怖ろしさとを払拭してしまいそうなくらいの大きな収穫。
弦楽器というのは、本当に繊細でまた力強く、心と体とを震わせる楽器なんだと改めて思う。
昨日のソリストは、擦弦楽器ではなかった。
クラシックの世界ではあまり使われることのない楽器だけれど、
もともと音が小さい楽器であるからなのだろうか、人の心を鷲掴みにしてしまいそうな存在感が、響きの中に確かにある。
一音一音は本当に儚く聞こえるけれど、いつまでも耳に残ってしまいそうな不思議な楽器。
昨日聴かせていただいた協奏曲は、去年の秋にも都響をバックにして聴いたことがあった。
もはやアイドル視をしてしまっている、その楽器の奏者としては国内では最も有名な人の演奏ではあったけれど、
音の美しさも柔らかさも、そして表現力も…その人を勝っているようで悔しく、それ以上に驚きと感動があった。
音が生きていないと感じられたオーケストラは、彼の演奏の波及効果で、一気に奥行きが広がったように感じた。
まるで本当にひとり異国の地を旅しているかのよう…。
旅がもたらす高揚感と寂寥感。それらがない交ぜとなって夢見るような心地。
終わりを迎えてしまうことなく、このままずっと永遠に聴いていたいと思わせる素晴らしい演奏だった。
アンコールも含めて。
だから私は、もうここで席を後にするしかないと思ったのだ。
後ろ髪を引かれるような思いで。
さて、自分自身に翻って、私はこれからどうしよう。
去年の春以降、音楽に向き合うとき、知性と感性との間で大きく揺れている。
自分の変化が分かるようで、まったく分からないときもある。
でも、一つ言えることは、自分の耳を鍛えなければならないということ。
私はもっと深く知り、もっと深く感じたいのだ。
手元にあるのは、安い電子キーボードと、貧弱なオーディオ環境。
言うことだけは一人前のようだが、自分の演奏に磨きをかけるような技量もない。
そして本当は、いろいろなことに興味を向けるのではなく、一つに絞ってそれに集中したほうが良いのかもしれないと思うこともある。
ただそうしていたら、昨日のような体験を味わうことはあっただろうか…。
今は、15日の夜のコンサートに行きたくてうずうずしている。
行ける可能性はきっと低いだろうけれど、たった一つの楽器から奏でられる豊かな音楽を、今は聴いてみたくて仕方がない。
作曲家 交響曲 ヴァイオリン(バイオリン) チェロ 室内楽