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例の1/7コンマ・ミーントーンとショパンの組み合わせを聴いてみるついでに、他の調律も。曲はこれまであまり聴き込んでこなかったショパンのスケルツォで。
スケルツォ1番 ロ短調 作品20
○平均律 どこが悪いと言うことはない。
○1/7コンマ・ミーントーン まろやかな感じになる。1つ1つのフレーズがよりスムーズに流れるようになる。そこそこクセのある調律の割には、平均律に慣れてる人にも違和感なく聞けそうなのがポイント高い。独特の濁りのある和音は好き嫌いが分かれそう。
☆ラモー 1/7コンマ・ミーントーンが酔っぱらってぐだぐだになった感じとでも言うか。解り易くて私は好きなんですが、ショパンのファンには怒られるんだろうなぁ。
◎キルンベルガー第1 この曲には A-Dの和音が出てこないので演奏可能。キタコレ。ぴったり。格好良くキマる。
ちなみにキルンベルガー第1は、有名な第3とは全然違う調律法で、白鍵はC-E-G,G-B-D,F-A-Cを全部純正に合わせて黒鍵は純正5度で決めるという、もっともシンプルな調律法の一つ。宗教曲にしか使い道がない調律などという評もありますがとんでもないですね。
midiデータは今回もHSKさんのHPから
http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/midi.htm
スケルツォ2番 変ロ短調 作品31
http://murashin.sakura.ne.jp/cgi-bin/getmid.cgi?ur...
◎キルンベルガー第1 1番でBestと思われる調律法。この曲にもぴったり。
○1/7コンマ・ミーントーン 引き締まらない和音がところどころ耳につくせいで、ちょっとゆるい雰囲気になる。楽しげな雰囲気を演出する効果は捨て難い。
☆Silbermann’s 1/6 妙な響きも多いはずなのに、通して聞くと感動的な展開に聞こえてくる不思議。
☆シュニットガー 中全音律系の曲によくでてくるような音型が目立つ曲なので、合わせてみたらこれも良い。(ショパンファンには怒られるでしょうが。)3回聞いたら違和感無くなります。何といっても人間味がある。どれが好きかと言われたらコレだな。
キルンベルガー第1のような純正律系の調律にも改良中全音律系にも合うという二面性を持つ曲が多いのがショパンの曲の特徴で、人気の秘密なんじゃないかと思うところではあります。
スケルツォ3番 嬰ハ短調 作品39
□キルンベルガー第1 爽快な感じがかなり良いのだけど、短調になった所でヴォルフが出る。これが第2でもうまくごまかせない。残念。思わず妙な改訂が入ってないかどうか確認したくなる。それでも一聴の価値はあると思う。
○平均律 悪くは無いよね。
○1/7コンマ・ミーントーン 無難にまとまる。
□ラモー 響きは綺麗なんだけど、ちょっとぐだぐだになりすぎ。
☆シュニットガー ハッキリ言って別の曲というぐらい雰囲気が変わってしまいますが、表情豊かで面白い。退屈する暇がない。ファンには(ry
☆Silbermann’s 1/6
前半は微妙・・・。中盤以降の盛り上がり方に驚く。濁りのある和音と綺麗な響きが湧いて出てくるような対比がとても良い。
ここまでだと、1/7コンマ・ミーントーンより強烈な個性をもつ調律法がたくさんあるせいで、その存在は霞んで見えます。ポイントはやっぱり、他の作曲家もある程度弾きこなせるという機能を求めた場合の優位性ということかもしれません。
古楽 ピアノ チェンバロ