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子供の頃から平均律でピアノに慣れ親しんできた人・・・つまり、優秀なピアニストのほとんどの人・・・にとって、平均律の響きは、それと一緒に、その人がそれまでピアノの習得に費やした、かけがえのない大切な思い出と密接に結びついている。
だから、安易に平均律を否定するような発言をすべきではない。
その事と同じように、モーツァルトにとって、いくつかの純正な響きを持った音律(つまり平均律では無い)は、モーツァルトの子供の頃の楽しい思い出と密接なつながりのある、かけがえのないものだっただろう、ということに想いを馳せなくてはならない。
だから、安易に古典音律を否定されても困るのだ。
難しいのは、「平均律で演奏するモーツァルト」や「平均律で演奏するバッハ」に特別な思い出や思い入れのある人たちが、歴史的な音律の問題とどう折り合いをつけるかという事だ。
子供の頃から平均律に疑問を感じて、積極的に色々調べていた自分でさえ、ラモーの中全音律の面白さに気が付くまでにはたいへんな遠回りをした。結局10年以上かかった。
そもそも平均律に疑問を感じていない、むしろ平均律に愛着を持っている人にとって、中全音律の理解は、さらに長い時間を要するだろう。それは、ほとんど無理な話かもしれない。
こちらのブログを読んで、そんな感想を持った。
http://blog.livedoor.jp/equal_shiki/
http://equal-system.com/
古楽 チェンバロ