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ピアノで平均律が標準的に使われるようになったのは、ピアノが大量生産されるようになった1950年代以降と言われています。これに対して、ショパンが亡くなったのは1949年。平均律が標準になるより前に亡くなっています。
では、ショパンはどんな調律が施されたピアノを演奏していたのでしょうか。興味がわく所ですが、その具体的な話というのは残念ながらあまり残っていません。4台のピアノを並べてそれぞれに違う調律を施してショパンが弾き比べた、というような話が残っているようですが、その4種類の音律がそれぞれ何だったのかは解りません。
実際に、ショパンのピアノ曲と色々な古典音律を組み合わせて聴き比べてみると、多くの曲でキルンベルガーが比較的よく合う事に気が付きます。ただし、一部の曲では全く合わない場合もあります。
聴きこんでいくうち、ショパンの曲は、比較的古いタイプの音律・・・モーツァルトが使っていたような・・・と組み合わせた時に、面白い効果を生むことに気がつきます。それは、現在の一般的なショパンのイメージとはかけ離れた演奏になってしまうので、にわかには受け入れがたい面もあります。しかし、色々な曲を演奏してみた時に大ハズレがなく、一貫性を感じさせるものがあることから、これが偶然とは考えにくいのです。
「ショパンはモーツァルトの後継者である」などと評する評論家の話もありますが、しかし生前のショパンがモーツァルトを熱心に研究したような逸話はほとんど残っていないことから、その関連性は謎でした。しかし、音律の観点からひもとけば、その理由が見えてくるのです。
キルンベルガーと、モーツァルトが使っていたような改良型中全音律は、音律の分類上は、かなり両極端に位置づけられるものですから、それぞれの音律で、それぞれの解釈で演奏可能、という事は、驚くべき発見と言ってよいと思います。
要するに、「世の中のピアノの調律法が1つに定まっていない」という問題に対して、ショパンは、「どんな音律でもうまく演奏できるように作曲する」という作戦を取ったと考えられる訳ですね。これは驚くべきことです。
音律というのはなかなか厄介な物で、人によって、生まれ育った環境によって、心の中に持っている音律というのは人それぞれ異なります。幼いころから平均律のピアノで育った人の心の中にはそのような音律が植え付けられますし、幼いころからバイオリンを習っていた人にはバイオリン特有の音程・音感が育まれます。合唱や民謡をやっていた人は、またそれぞれ異なる音律が心の中に植え付けられるのです。音楽のジャンルの数だけ、あるいは音楽家の数だけの多用な音律が、各自の心の中に存在していると言っても過言ではありません。
そんな状況にあって、なるべく幅広い音律に対応するように配慮されたショパンの曲は、結果的に、人によって異なる心の中の音律にも、幅広く対応する力を持つことができているのでしょう。それは、国境を超え、時代を超えて、ショパンの音楽が広く愛されるようになった1つの大きな要因だっただろうと思われるのです。
古楽 ピアノ