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ショパン Op. 63 マズルカ 第39番〜第41番 をYoutubeにUPしました。
https://www.youtube.com/watch?v=MKv3OR05Lf0
イメージ画は、印象派ですが日本ではあまり知られていないポーランドの画家の作品から選んでみました。
各種音律との組み合わせに関して、Op.63は、キルンベルガー第1 がしっくりくるように思われます。ヴォルフが雰囲気をブチ壊すような所も無いし、旋律をとても美しく優雅に響かせることが出来ます。
中全音律系との組み合わせは、最初は「こりゃだめかな」という印象ですが、何回か聴いて耳が慣れてくると受け入れられるようになります。が、あえて選ぶなら、キルンベルガー第1ですねこの3曲は。
ショパンの作品としてはかなり後期の作品になります。この時期の曲としては 小犬のワルツ Op.64-1 が有名ですが、この曲もキルンベルガー第1がうまく合うんです。つまりこれは偶然では無く、一時的かもしれないにせよ、ショパンがキルンベルガー第1を実際に使っていた時期が有ったことをうかがわせます。
気になるのは、この時期のショパンのピアノの調律をしていたのは誰なのかということですね。例えばショパンがノアンに滞在中、ピアノの調律師を遠くから呼び寄せたというような話は伝わっていません。とすると、ショパン本人か、もしくはショパンが雇っていた使用人がピアノの調律を行っていた可能性が高くなります。
ショパンは1日2時間以上演奏するなと弟子に教えていた人ですから、ノアンの滞在中もそんなに1日中ピアノを弾いていた訳では無かっただろうと推察されます。ノアンの館のまわりは広大な農村地帯で、ショパンが遊びに行くような所はありません。せいぜい日曜に教会に行くか、散歩するぐらいだったはずです。つまり、ピアノを調律する時間はゆっくりあった訳で、ノアン滞在中、ショパン自身の手によってそれが行われた可能性もあります。
「ショパンの身のまわりの世話をする使用人」も居ました。洗濯や食事の準備が今よりはるかに大変な時代だったとはいえ、普通に考えれば、まだ普通に生活できているショパンの身のまわりの世話のために、わざわざ1人雇うというのは大げさな話にも見えます。しかし、その使用人に面倒なピアノの調律もしてもらっていたと考えるなら、わざわざ雇う意味もあったかもしれません。
その使用人が、1845年、マズルカ Op.59を作曲した時期ぐらいに、辞めることになり、しばらくして別の人に交代になっているんですね。もし調律の経験の無い人にショパンが調律を教えて作業を代行さていたのだとしたら、最初は手順の簡単なキルンベルガーから入らざるを得なかっただろうと推測できます。
古楽 ピアノ