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チャイコフスキー 「くるみ割り人形」 より「小序曲」 のピアノ編曲版 古典調律・ミーントーン聴き比べ動画をYoutubeにUPしました。
https://www.youtube.com/watch?v=VEknTEdcINc
編曲はチャイコフスキー本人の手による版を使用しました。この版は、おそらく、バレエの練習の時にピアノ伴奏が必要になるので、そのためにチャイコフスキー自身が大急ぎで取りまとめたものと思われます。オーケストラ版と比較すると、小節数が同じなこと以外は、かなり簡略化されています。
しかしその割には、とても弾きにくい所も時々あり、初心者向けの編曲ではありません。かといってピアノ上級者にとっては物足りない内容であるため、ピアノ演奏会でこの版が用いられる事は稀です。現在では、初心者向けから上級者向け、連弾版など、いろいろ改善されたありとあらゆる種類の編曲版が手に入ります。
しかし、ここでは、「チャイコフスキーがどのような響きを聴いて創作活動をしていたか」を調べることに重点を置いているので、あえてこの版を用いました。
平均律もまったく問題はありません。 P.C.1/6コンマミーントーンぐらいまでは古典調律に馴染みのない人でも違和感なく聴けるのではないでしょうか。
さすがに 1/4コンマ ミーントーンになると、旋律に違和感を感じる人が多いかもしれませんが、その分、和音の響きは良くなります。
2/7コンマ ミーントーン を最後に収録したのはちょっと蛇足感がありますが、当時は今のように正確に音程を計測することはまだできなかった時代なので、コンマの幅が多少ズレた場合にどう聴こえるかの確認用として入れてみました。
実は私はこの曲について、もう30年以上も前に、どんな調律法がこの曲にうまく合うか調べたことがありました。しかし当時はまだミーントーン(中全音律)の有用性に気が付いておらず、ミーントーン「以外」の音律との組み合わせしか調べていませんでした。結果としてはどの音律との組み合わせもイマイチに感じられ、「チャイコフスキーはやっぱり平均律だったのかなぁ」という感想でした。
しかし数年前、ワガノワ・バレエ・アカデミーの卒業試験の動画で、ミーントーンが使われている事例を見つけ、色々と調べてみました。そのうちに、チャイコフスキーが「くるみ割り人形」を初演したマリンスキー・バレエ団の公演に子役が必要な場合、ワガノワ・バレエ・アカデミーの生徒が出演しているということを知りました。ワガノワ・バレエ・アカデミーでミーントーンが現在でも使われているのならば、マリンスキー・バレエ団の公演の際にもミーントーンが使われていた可能性があると思い、組み合わせてみた結果がこれと言う訳です。
ここから先は、各人の想像力の問題になってきてしまうのですが、私はこの「くるみ割り人形」という物語の冒頭の楽曲において、その世界観を観客に伝えるために、調律法として 1/4コンマミーントーンぐらいが使われた可能性は十分あるのではないかと思います。題材の「お人形のおとぎ話」というそのメルヘンな世界観を表現するのに、1/4コンマミーントーンの独特の美しい響きと、ちょっと調子っぱずれな旋律が、世界観によく合っているように思うのです。
例えていうなら、絵を描く時に、パースをキッチリ合わせて、写真のように正確に図形を描くのも上手い絵の技法の1つではありますが、少々パースが狂っていたり線が曲がっていたりする方が、「メルヘンな世界観」を表現するのには具合がよい場合もある、って感じでしょうか。
「1曲目だけ 1/4コンマミーントーンと上手く合っても、後の曲と上手く合わなければダメだろう」と思われるかもしれません。しかし驚くべきことに、くるみ割り人形では、残りの曲も、全部ミーントーンで具合よく演奏できるのです。こんなことが偶然であるはずがありません。
チャイコフスキーがこの曲を作曲したのは1891年頃ですから、その時代においてチャイコフスキーがまだこんなにガッツリとミーントーンを使っていたとなると、音律史観にも影響を与える話になってきます。
時間はかかりますが、くるみ割り人形組曲の残りの曲について、引き続き制作を進めて行きます。
ピアノ チェンバロ