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昔の学校の先生というのはかなり怖い人が多かった。
子供の頃はすぐに怒鳴られ、アタマをコツンとやられ、立たされたりという毎日だった。
それでも全然応えて無くて同じ事の繰り返しをしょっちゅうやっていたが。
ピアノのセンセも結構怖かったが、一番最初に習ったセンセは近所のおばちゃんでもともと優しい人だったし、気心が知れていたから怒られた事もなく怖いと思った事もなかった。
そのぶん練習はいい加減だったからぜんぜん上達しなかったが。
当時楽器屋さんの音楽教室など少なくてたいていは一般家庭の主婦がピアノの先生だった。
たぶん今みたいにどこかの音大を出たような人ではなく、個人的に習っててそこそこ弾けるようになったから、子供に位は教えられるだろう的な人がほとんどだった感じがする。
音大なんて学校があるのを知ったのは高校に入ってからだった。
だから個人的にピアノを習えて、楽器が買えるというのは相当裕福なお嬢様だったはずだ。
レッスンの前には必ず手を洗わされてピアノを触る。
姿勢はまっすぐに。指はシッカリ曲げて立てましょう。
赤い表紙の大きなバイエルの楽譜を見上げるように必死で弾いてた気がする。
あれから60年ほど経ってる。
練習するときにグールドのように鍵盤に顔をくっつけるように弾きながら、思わず昔のセンセの顔が目に浮かんだ。
姿勢はまっすぐに。
ピアノ 現代音楽 吹奏楽∩管弦楽器 協奏曲 作曲家