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『nikikai opera』誌

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 我が家の愚妻(死語=女性蔑視の差別用語)が朝日カルチャーの帰りに『nikikai opera』誌を持ち帰ってきた。2007年と2008年のものである。朝食をとりながらパラパラとめくっていると、宮本亜門さん演出による2004年7月公演の『ドン・ジョバンニ』(東京文化会館)のステージ写真と簡単な解説が載っていた。

 「忘れもしない!」初学者の私には「腹の立つほどの上出来」の公演であった。(千秋楽の座布団を舞台に投げつけてやりたかった)

 この公演、ニューヨークで活躍している亜門氏による「初」のオペラ演出ではなかったのではなかろうか?
 舞台を9.11のニューヨークの貿易センタービルの廃墟跡(グランド・ゼロ)に設定し、山師のドン・ジョバンニやら海兵隊やらマフィア、ドラッグ常習者のマゼット・ツェルリーナ、子連のドンナ・エルビーラ、ドン・ジョバンニの館=老婆女ホーム・・・等など。「目新しいものづくめ」に見えたものである。

 それに、亜門氏の好みであろうか、キャストのスタッフが舞台上を右や左、階段の上がり下がり、「やたらあちこち走り回る」のである。歌い手にとっては、息が上がったことであろう・・・。

 アップされた写真にドン・ジョバンニがドンナ・エルビーラの連れていた少女(実は侍女)を誘うセレナーデの場面がある。これなどはどうみても「幼女レイプ」(悪趣味)の類いの演出である。

 どれもまともな配役とは思えなかったが、一つだけ皆さんの喝采を得た例外があった。それは、へそ出しルックとミニスカートとスニカー姿のツェルリーナ役の林美智子さん。この日のために、彼女はダイエットとエクササイズを相当に行っていたのではなかろうか。

 アップされた写真では『この悪党め、もうだまされないぞ。覚悟しろ』といったシーンであるが、レポレロが彼女の手をつかんでいるようである。実際のステージ姿は、もっともっとスタリッシュなものであった。彼女が出てくると、ホールの雰囲気がぐっと盛り上がるのが不思議と感じられた。

 すでに30歳を過ぎておられるはずであるが、同紙で紹介されているCDリリース記念のレコーディング風景の写真では、とても愛らしいお姿である。

 メゾの歌い手は案外小柄で「顔が丸い」ものであろうか?これに比して、ソプラノは背が高く、面長のほうが有利なのであろうか。ドンナ・エルビーラ役の佐々木典子さんの姿も写真のなかに写っているが、彼女の舞台姿もなかなかスマートで見栄えがしたものである。

 男性諸君?どれもいま一つだったかなー。殆ど覚えていないのが残念ではある。

 作曲家 チェロ


日付:2008年10月25日

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