Shigeru Kan-noさん
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ビシコフ指揮、リーゼ・デ・ラ・サーレ:ピアノ独奏。
9月1日ケルン・フィルハーモニー
予定されていた現代曲が、先週のここのマネージャーの急死の際の遺言により、マーラーの第三交響曲の終楽章に変更された。先輩のベルティーニではなくロシア系のビシコフなので専門性はそれほど高くはないけれども実際に聴くよりも見てると最後のティンパニなどの「レ−ラ」の行進などはそれぞれ両手で計8個を使って叩かせているのが良くわかる。と言っても自分が過去に見たメータとウィーン・フィルやシノポリとシュトットガルト放送と比べて音響的に特に優れているわけではないが視覚的に様がつくのであろう。24分ほどかかって普通の出来の範囲に留まる。同じユダヤ人でも全くタイプが違うのだけれどもまだまだベルティーニが解釈した跡が残っているようである。
18歳のフランスの妖精の独奏によるリーゼ・デ・ラ・サーレのラフマニノフの第二協奏曲は平均的な水準かもしれない。美貌なので将来もっと人気が出るかもしれないが、太る可能性も秘めているので気をつけなくてはいけない。肝心の音楽だが、強めの打鍵。荒削りで無くは無い。物凄い安定感があるわけではないけれどもしかし不安があるわけではない。その点将来のグリモ−になる可能性はある。自分はこういう大衆向けの音楽は極力避けてきた。今回聞いたのも高校3年生で聴いたアマチュアの福島大学管弦楽団以来30年ぐらい経っている。指揮の渡邊氏の息子が弾いていた。でもシュットットガルト時代に東ドイツの洗練された解釈の典型であるイェルグ・ペーター・ヴァイグルの指揮で公開プロ−ベを聴いているので完全に生をシャットアウトしてるわけではない。冒頭の10度はアルペジオで弾いていたが、何れにせよ余りに弾かれすぎうんざりする曲である。映画音楽にももうすでに数回使われたとか?
最後の合唱交響曲「鐘」作品35はほとんどコンサートでは取り上げられない音楽である。どおりでここでは聴衆の退場者がかなりあった。独唱にタチアーナ・パヴロフスカヤ、エフゲニ−・アキモフ、ウラジミール・ヴァネ−エフを揃えられるのは常任であればのこその利点だけれども、隣のボンもそうなので、最近のライン地方はロシア物一色のような盛況である。だったらもっと今年はもっとせっかくのショスタコヴィッチのマイナー作品にも力を入れて欲しいのだけれども意外と少ない。
作曲家 指揮者 現代音楽 ピアノ 交響曲