Shigeru Kan-noさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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学生による現代音楽だけの弦楽四重奏曲:10月25日ケルン音楽大学

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アサセロ弦楽四重奏団の卒業試験だけれども公開演奏。同時刻に向かい側のアウラで学生オケによるミヒャエル・ルーイック指揮のシベリウスの第二交響曲が合ったけれでも無視して室内楽ザールへ。

一曲目のトーマス・アデスのアルカディアーナ作品12は7楽章からなる30分かかる「大曲」。ここでこの作曲家が親しまれているわけがわかる。前回のモーリッツ・エッゲルトのオペラのようにところどころに簡単な調性が入るのだ。いやむしろ引用といってもよい。それがきつくなくやわらかくできているものだから気軽に食べやすい音楽となっている。しかし音楽の長さは簡単なものじゃなくて30分をかけるのでかなり本気に構えないとかなりつらいこともある。

二曲目のミカエル・ジャレルの「ツァイトフラグメンテ」も25分というかなりの時間的な覚悟を要す。いつもの様にビリビリしたクラングが主だが、途中にウオルフガング・リームの「3つの弦楽の為の音楽」のテクニックが出てくるのは、この作曲家の個性の弱い面を確実に吐露している。ウィーン音楽大学の決まりきった指揮振りのようなものである。それでもこの音楽はいろいろな技法が込められていて内容は事欠かないかも知れない。

休息をはさんだ後半はジョルジュ・クルタークのミハイリ・アンドラスの思いでの12のミニ・練習曲はこのSQが全員暗譜という珍しい形での演奏だった。各一曲一分ぐらいだったであろうか、ウェーベルンの「バガテレ」を思い起こさせるごく小さい曲の集まり。いつもながらクルタークはバルトークに対するコダーイのようにそれほど特殊奏法などを連発するほとの前衛作家ではない。

さてフィナーレとしてお待ちかねのリゲティの傑作の第二番。昔ウィーン・モデルンで生のアルディティで一番と一緒に聴いたきり久しぶりの生演奏だ!しかし自分のこの曲に対する勉強の歴史は相当長い。日本時代の80年代すでに嶋津武仁クラスでは、本人がドイツから持って帰ってきた作曲の資料の中にこのSQが含まれていて、「ロンターノ」一緒に即アナリーゼさせられたことから始まって、シュトットガルトに移ってもラッヘンマンクラスでは、「学生による実演つき」という贅沢なゼミナールでこの曲を分析して学んだ。その後フランスのパリなどで「室内協奏曲」などの同時期の作品といくつか学んで20年近く経った後の実演なので、聴くほうもアプローチがずいぶん変わって、安心感とこの曲の価値がどんなに高いものかを再認識した事は重要だった。やっぱりペンデレツキの一番やクセナキスの「テトラス」・ノーノの「ディオティマ」ぐらいの高峰に聳え立つ重要作である。


菅野茂

 作曲家 指揮者 現代音楽 ピアノ 交響曲


日付:2007年10月27日

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