Shigeru Kan-noさん
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ドイツ国内、あるいは欧米での新作オペラはどの程度の評価を得ているのでしょう?
日本の創作オペラをWeb検索したところ、
1)「春琴抄」「修善寺物語」「天守物語」などは日本オペラのスタンダード
なレパートリーとして定着し、日本初演となった「あだ」、「祝い歌が流
れる夜に」、「舌を噛み切った女」(「すて姫」改題)、「袈裟と盛遠」、
「よさこい節」、「黒船」、「額田女王」なども高い評価を得ました。
2)日本の創作オペラとして未曾有の国民的人気を誇る「夕鶴」は海外も合わ
せて650回以上の公演を重ね、世界の人たちから愛されています。
3)山田耕筰による日本人初のオペラ「黒船」(幕末動乱の中で苦悩する芸姑を
描いた「唐人お吉」の物語が題材)
4)「春香」「セロ弾きのゴーシュ」「白墨の輪」「古事記」「忠臣蔵」
「ミスターシンデレラ」「あさくさ天使」「火の鳥〜ヤマト編」
どれも、全くご縁がありません。『夕鶴』は友人も出演していますので、見たいとは思いますが、オペラ=西欧音楽の先入観がジャマして足が遠のきます。
しかし、日本全国にその足跡が伝承されている古事記『ヤマトタケル』などは、ドラマチックな生涯ですので、しっかりとした台本と音楽ができていれば、観てみたいとは思います。
2008年03月03日 09時32分16秒
残念ながら『夕鶴』はヴェルディの洋には演奏されていません。まあ多くの海外公演は国産交流基金の補助でやっているのでしょう。ウィーンの国立歌劇場が年間のオペラのレパートリーの50曲に入ることはもちろんないです。あれは実はドビッシーの丸写しで音楽として凄く弱いですね。こっちの人が聞いたらすかさずドビッシーかラヴェルの音楽というでしょう。昔のNHKの新日本紀行の音楽がそうでしたね。僕も何も知らないときはこれこと日本人が作った独特の世界にも通用すべき音楽と思っていましたが、何のことはなかったですね。「ダフニスとクロエ」の丸写しでした!
日本国内の音楽はそれだけ今でも外国の物真似作品だけが謳歌していることになりますね。
ほんとに歴史に残るような作品はすぐ全世界で演奏されます。最近だとラッヘンマンの「マッチ売りの少女」ですね。最初はハンブルクで初演、次は東京、パリ、ザルツブルク、ウィーン、バーデンバーデン、シュトットガルトと連鎖反応的に再演され試され評価されます。最近の日本だと新国でやる「兵士たち」でしょう。超難解のオペラなのですが、やっと日本でもやる実力が付いたようです。この曲もヨーロッパでは一回りはしましたね。それでも評価が落ちないのは音楽が独特でしっかりしているからでしょう。
2008年03月03日 18時46分13秒
『夕鶴』にはがっかりしました。『ダフネスとクロエ』の丸写しですか。CDで1,2度しか聞いたことがないのですが、「よくわからん?」と思った記憶があります。
『マッチ売りの少女』を調べてみました。感想はつぎのもの位です。
http://www.greengrape.net/mizuno/misc/lachenmann.h...
作曲者ラッヘマン?
「ヘルムート・ラッヘンマンのオペラ『マッチ売りの少女』は1997年に初演された。台本には、本作のほかにレオナルド・ダ・ヴィンチと、ドイツ赤軍の創設者の一人グドルン・エンスリンのテキストが用いられている。」
奥さんは日本人なのですね。「ドイツ赤軍」が出てくるのが驚き。「日本赤軍」は既に忘却の彼方にありますからね。「ドイツ赤軍」?どんな連中だったのだろうか。ヘルメットにゲバ棒ではないでしょう。若者のエネルギーの吐き出し口の役割を果たしたのでしょうね。
2008年03月04日 13時33分37秒
『夕鶴』はどっちかというとドビッシーでしょう。『ダフニスとクロエ』ノ第3部冒頭がNHKの昔の新日本紀行の主題歌でしょう。そのほかNHKの大河ドラマもその源泉を突き止めるとそういうことも可能ですね。『夕鶴』はほんとは上げてやりたいのですが、嘘はつけないのでやはり事実を書いてしまいますね。そういうのをこちらの人は知っているのです。礼儀から直接は言いませんがどっかの歌劇場で演奏されたとき、「なーんだドビッシーか」と普通は思っているのですね。散々聴いていますからドビッシーのどの部分の引用:真似と詳しく言えるみたいですね。
こっちの赤軍はゲバ棒じゃなくてテロリストだったようです。彼らは殺人罪で今でもシュトットガルトの北のシュタムハイムの刑務所に死刑がないので無期懲役で入っていますね。
2008年03月04日 19時04分52秒
ドイツ赤軍、Wikipediaでは『彼らの政治主張は反帝国主義で、テロも辞さない広範な反体制活動を通じ、西側資本主義を打倒し、マルクス主義による世界革命を目指していた。そのため銀行強盗、爆破、誘拐、窃盗などあらゆる犯罪に手を染めた。』とあります。
日本赤軍に共鳴したともありますので、例のテルアリブ事件かもしれない・・・。イデオロギー戦争が終焉した今日では、最早、存在意義が霧散するほかなかったでしょう。
ところで、『夕鶴』とドビッシーですが、演奏家兼音楽エッセイストの青柳いずみこさんは、国内では相当のドビッシー演奏家らしいのですが、彼女の書いた文章中に『夕鶴』との関係を示唆した文章を一文たりとも読んだ記憶がありませんねー。
こういったことは、「知っていても○○の真似をする」のが賢いやり方なのでしょう。「知らずは、アホの愛好家ばかりなり!」腹立つーウ!
2008年03月05日 13時38分43秒
でも僕も団伊熊好きですよ。「ぞうさん」と「ラジオ体操」で育ちましたからね。でもそれは童謡の世界。クラシックの話は別ですね。「ラジオ体操」懐かしいですね。ドイツはこういうのないです。またラジオ体操やってみたくなりました。
2008年03月05日 18時07分35秒
新作オペラは情報に疎いのですがラヴェルとドビュッシーの丸写しにはある意味興味があります。
最近のと言っても1997年なんですね。
21世紀のオペラで歴史に残る作品が生まれるといいな〜
2008年03月06日 06時30分11秒
前衛がその後続のオペラ作家をひっぱっていますね。今でもこちらではどんどん進化しています。日本昔話の台本に単に曲をつけるだけでは誰も面白いと思わない時代ですね。単に無調で作ってももう古いです。特殊奏法があり、微分音があり、不確定性があり、偶然性があってしまったので、それ以上のものが求められます。PCの進化と同じですね。今時ソロバンで惑星の軌道を計算する人はいないでしょう。算盤は頭の体操に確かにいいのですが、今はもうそういう時代じゃないです。音楽も同じですね。
2008年03月06日 07時39分38秒
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初演から2日目の公演。この原作は同じ題名の東ドイツ出身のトーマス・ブラッシュが書いてシュトットガルトで初演した演劇。その妻カタリーナ・タルバッシュとクリストフ・シュヴァントがオペラ用の台本を書き、同じカタリーナが演出を担当しているが、故ルート・ベルクハウスが戻って来たような念の入れよう、しかし閃きまでは真似が出来なかったようだ。バレエ団も多く使いあまり飽きの来ない舞台。基本設定はベルリンかどこかの中央駅のホームで始まる。
台本の設定は主人公ロッターの生涯の物語で、ワイマール共和国から戦争・戦後のDDRの時代・そして死ぬまでの話を通す特に特殊さの入らない物語。主人公役はまず最初に酷い風邪をひいて歌うけれども、容赦のほどをと断りがあったけれども、何しろ初演作品なのでどこがどこでよく歌えないのか良くわからないままオペラが進行する。
音楽の作曲者は映画音楽で鍛えた東ドイツ人で日本にも数年間住んでいたらしく、管弦楽法の扱いは巧みである。ヘンツェの書法を正しく受け継いだような形で特殊奏法は制限され、水平的な音楽の流れで持って音楽をやり安い方向へと差し向ける。オペラの始まる前の30分の解説によるとシェーンベルクやベルクのオペラを手本としたようだが、両幕の最初からいきなり歌で始まったり、シュプレッヒゲザングを使用するのは前者の影響であり、ルルのエンデュンクのリズムや無調・印象派的なコロラトューラが行ったり来たりするのはベルクの書法である事にも注意したい。ただあの時代の台本はとてつもなく衝撃的であったのに対し今回は平凡に近い状況。管弦楽はかなり大きな三管編成:フルート・クラリネット4を加える、でアコーディオンも加わっているのは昔シュトットガルトで初演され何回も見に行った、ロルフ・リームのオペラ「黙ったサイレン」を想起させる独特の雰囲気をかもし出していた。ドラム・セット出場のジャズは単なる発想切れの際のポップスへの逃避ではなくて、ベルント・アロイス・ツィンマーマンのその特に「兵士たち」のオペラを思わせる。
この二幕のオペラはかなり長くて、第一幕95分、第二幕75分の2時間50分かかるのは最近は珍しい長さに相当する。逆を言うとそれだけ時間に打ち潰されて書き倒れる穂四罠作曲家が多いのが最近の傾向といえる。さっきヘンツェを出したが、それ夜の更に東ドイツ的で、ハンス・アイスラーやクルト・ヴァイルが現在生きていたなら書いていたであろうな音楽になっていた、と書くのは逆にいえば余りの演奏しやすさの為にそれほどの革新性はないとも言える。
当夜指揮したのはオスナーブリュックのGMDであったけれども、ステンツのような専門性は無く単なるカペルマイスター的な仕事の一端に過ぎないという印象。今時ヘンツェと同じ水準のオペラが残ることができるのかどうかはまだわかるはずはない。
Shigeru Kan-no
作曲家 指揮者 現代音楽 ピアノ 交響曲