Shigeru Kan-noさん
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この演奏会の前はデュッセルドルフにいたので、汽車で行くのだけれども急行列車が25分遅れのため20分遅れの特急のICEを特急券無しで使ってよいという放送なので、遅ればせながら途中からのコンサートに到着。このコンサートはどういうわけか臨時的に無料。でも最初のデュッカスの「魔法使いの弟子」とラフマニノフの「パガニーニの主題によるラプソディー」は聴けなかった。
それで後半からのスタート。レスピーギの「ローマの噴水」。弦が12型だけれどもコントラバスは4。管と打楽器が圧倒的に煩い。打楽器協奏曲なのかドイツの重く暗い温室は健在。ミヒャエル・ルーイッヒの指揮はラジオのカイザースラウテルン放送管弦楽団でおなじみのただの「指揮者」で、どういうわけか前指揮科教授のワンゲンハイムと共に家の近くの他州の偏狭の田舎町で、何もない飯野町と同じぐらいの規模の数千人の人口のアルテンキルヒェンに代々住んでいる。
最後の曲目はエルガーの「エニグマ変奏曲」で今度は管弦とのバランスが取れてきた。ドイツのキャラクターを保持しているのであくまでも和音は澄んでなくて手作りの音で豪快な物ではない。アンコールはこの曲の中からAdagioの部分で去年イギリス演奏旅行前のWDRのオケのプロ−ベでも聴いたがよくアンコールされる。
日が変わって今日の午後はその近くのアルテンキルヒェン地区合唱コンクールの一部を聴きに行く。町のハレでやっているのだが、ここでは毎年事に客演で演劇やオペレッタ・シンフォニーコンサートなどもやる400人ぐらい入るホール。一部を紹介しよう。ここで勝つとマイスター・コアのタイトルが貰える。日本で言う金賞のような物。手順はあのミュールンベルクのマイスタジンガ−と同じ経緯。でも日本と違ってどこでも参加するわけじゃなくて一部だけ、家のは集中プロ−ベがめんどくさいので参加しない。
メナー・ゲザング・フェライン・ボイル・ホイペルツェンはスヴィデルスキーとかいうポーランド人の指揮者。この周辺はポーランド人も多い。曲はドヴォルザークのSpaty und Euleとリューデリッツのフォルクローレ。次はヴィートバッハタラ−・男声合唱団・ナイテルセンで同じ指揮者。曲はクロセのカンタータ・ドミノ・モテット。その次はオーバーリッセンの混声合唱団。シュタインハウザーという女の指揮者。曲はケルビーニのドナ・パーチェム・ドミネとシルヒャ−のフォルクロ−レ。その後はナイテルセン・女声合唱でヘリングハウゼンの指揮、曲はシャウトのSoon ah will be doneと彼自身の編曲によるフォルクロ−レ。ここまでが全てアカペラで一部の小太鼓あり。それから自分で勝手に抜け出して郵便局で切手を買って郵便物を出してくる。その後は音楽学校:メロディーアート合唱団はヘリングハウゼンがピアノ伴奏もするポピュラーアート。最後も同じ指揮者で近頃カナダ演奏旅行をしたというプロジェクト合唱団。良さそうだが実は金持ち連中の集合体で実際は他のコーラスと比べてレヴェルがたいそう高いわけでもない。ここではアマでも海外から本場という事で引く手あまたなのだ。日本の合唱団と発声法が全く違うところが面白い。骨格も違うし、音楽に対する考え方も違う。とにかく裏声を重視した美しい教会用の発声だが、バスは巨体が多く勇ましく低音のBb以下まで出る人もたくさんいる。アマなので良いところも悪いところも一緒に耳に入っていく。聴いただけでその楽譜がはっきり書き留めるぐらい想像できたら良い合唱団である。と言うことで自分は今度の水曜日に「Mai・Baum/5月の木」で本番。これよりはましにやろう!
菅野茂
作曲家 指揮者 現代音楽 ピアノ 交響曲