Shigeru Kan-noさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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ペーター・エトヴェシュとWDRのリゲティの「レクイエム」の公開GP、フィルハーモニー12月4日。

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エトヴェシュも年は隠せない。白髪の髭を伸ばしまくり、ラモンテ・ヤングのような格好で現れた。今日の練習も公開であるが本番も今日なので説明は一切無しで「レクイエム」の通しだ。だからここに書くネタも少ない。

約28分の曲ではあるが、録音中にもかかわらずにわざと大声で咳をする人がいる。乳児の入場も多い。現代音楽は子供の時から親しまないと一生理解できなくなるので、それぐらいの雑音はWDRでもいつも容認している。オケも将来の聴衆は喜んで受け入れている。たった30分の公開プロ−ベは無料なので親も子供達を連れて来易い。

リゲティの「レクイエム」の実演は初めて聴く。もちろんレコードやスコアは知ってはいたが、生は少ない。どうも演奏自体が難解らしい。この曲は初期のミクロポリフォニーの作風を引いてはいるが、小さくとも後年の「ル・グラン・マカーブル」に繋がるようにグロテスクな表現をかなり含む。「最後の審判」のように時々おっかない雰囲気が漂う。去年はWDRはヴェルディの「レクイエム」全曲をサーヴィス公開したが。この季節はいつもレクイエム・ラッシュである。今日はシュトックハウゼンとモーツァルトの命日である。

とにかく夜は家にいないとならないので他のプログラムはいつものようにラジオを聴く事になる。一曲目のイヴァン・フェデ−レのEn・Archè「ある箱舟」?今日の初演の曲目だったがどう見てもどこにでもありふれた歌曲集。ちょっと「涅槃交響曲」に近いだけの雰囲気。

二曲目のリゲティの「出現・Apparitions」は実演では「大気」や「ロンターノ」と違ってめったに無いのでこれ事は生を聴きたかった。

三曲目のストラヴィンスキーの「レクイエム」は十二音時代の物。最近やたらと多い新古典主義時代の演奏にうんざりしている耳には特に新鮮に響く。

休憩を挟んで四曲目がリゲティの「レクイエム」。さっき生で聞いた曲の記憶が鮮明に蘇る。難しい作品だけれどももっと演奏されて良い音楽である。


菅野茂

 作曲家 指揮者 現代音楽 ピアノ 交響曲


日付:2008年12月05日

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