Shigeru Kan-noさん
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このブログ(日記)へのコメント
久々ね・・・
読んでおきます。
ではまた。
2009年07月05日 20時59分46秒
最近多いよ。
読むとためになるよ。
2009年07月05日 21時20分27秒
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もうクラシック・シーズンの終わりではあるが、このバレエ版の全曲上演はいつでもどこでも珍しい。そもそもCDの全曲盤が同じ作者の「ガイーヌ」と同じく事実上存在しない。いつも聴かされるのはコンサートでそれも組曲版のみである。したがって生の上演に行くことはそれだけ貴重な体験であるはずである。オペラのイタリア語のように難しい言語の壁がないので、芸地在住の日本人間社員の多いこと、多いこと。やっぱりオペラの類にはやはりこういうものから入らなければならないのであろう。
されどその上演そのものであるが、ユリ・ヴァーモスの振り付けはディアギレフのロシアバレエ団がやった「春の祭典」的な振り付けなのでモダンで親しみやすい。ただ最初楽器のソロが多いのでプログラムを見たら驚き。変二長調のピアノ協奏曲の二楽章とイ短調のチェロ協奏曲の第二楽章が挿入されている。ソロはもちろん易しくはないのでデュッセルドルフ交響楽団が苦労して引いているのがじかにわかる。音楽はもちろん「トゥーランドット」のようなハチャトゥリアン特有のクラシック音楽のポップスの祭典。大音響の大安売り!典型的なアメルメニア調。次がユダヤ人・アラブ人・中国人と続く、世界で一番駆け引きの上手い民族の音楽。誰がいつ聴いてもすぐ楽しめるクラシック音楽。
本当は4幕9場で改定では3幕12場、今回では2幕に短縮、40分と60分に短縮していたが、飽きないように苦慮しているにもかかわらず余りにも早く終わってしまい、良い音楽による充足感に不足する。どう見てもカットのしすぎでかつ挿入のしすぎであるように見受けられる。それでスパルタクスがクラッススに殺されるまでで前半が終わり、後半がまた同じ場面で開始、何の意味があるのか?最後の死刑の十字架は単なる象徴で終わる物足りない演出。拍手も客席ではなくて舞台裏からやってくる、昔シュトットガルトで見たフランス人による演劇に似ている。いわゆるやらせはいつもおこがましい。
しかし伝統的なロシア3大バレエの一つを見た収穫は大きい。そうなるとどうしてもチャイコフスキーであるが、それ以外にもプロコフィエフ、ショスタコーヴィッチ、ストラヴィンスキーなどがあるが、このハチャトゥリアンも「ガヤーネ」の初稿である「ハピネス」を含めると3大バレエとして観ることができる。同じくフランスやアメリカの作曲家にも3大バレエと呼ばれるものが存在しているが、ロシア・バレエ音楽は絞まりの度合いがぜんぜん違うのでいつでも鑑賞にはうんざりするほどのチャイコフスキーの作品だけを除いては最適である。
フェリックス・コロボフの指揮はいわゆるロシア楽派のそれであるが、飾り気が多くて若き日のキタエンコに似ている。指揮のバレエ・ダンサーである。第一ヴァイオリンの高音域が完全に合わないところを見るとそんなに耳が良くないか、トレーナーとしては特別でもないのであろう。トランペットはロシア風にピストンのBb管であるが、吹き方がドイツ風に渋かったのは残念!弦は10,8,6,5,3でフルの3管編成では薄過ぎる。
代表作「ガヤーネ」もどんどん上演すべきだし、クラシック音楽の振興のためにはCDプロダクションも積極的にすべきである。邦楽とは違ってクラシックの世界の桁違いの広大さ・雄大さ・普遍さ・多様さ・地域時代を超えたグローバルさを実感する上演であった。それが今でも立派に生きて多くの聴衆の前で格安に気軽に上演されているのを実感することはやはり奇跡であり驚異である。
作曲家 指揮者 現代音楽 ピアノ 交響曲