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ヤクブ・フルッサとケルン放送響、7月2日、フィルハーモニー

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7時にいつものように音楽ジャーナリストによる解説があって内容はもっぱらスークとドヴォルザークにささげられたが特に知識上の新発見は無い。

第一曲目のヨーゼフ・スークはドヴォルザークよりもずっと後の人だか様式は完全にチェコの師のを踏襲している幻想的スケルツォは名前がかなり前にここで聴いたストラヴィンスキーのを思い出す。このチェコの新人のヤクブ・フルッサはドボルザークのセレナード窓のCDなどで聴いたことがあるが、イルジ・ビエロフラーベックそっくりな振りのオースドックスな音楽で悪く言えばもの真似、良く言えばチョコの次の世代の俊英というところであろう。バーツラフ・ノイマンやズデニェク・コシュラーほどはあの辛くてあわない弦をやわらかいところまでは変えられない。日本の尾高忠明のあの無難な指揮法を思い出せばそれに一番近い。

第二曲目のドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲はチェロ協奏曲ほど有名でも独特ではなくともチェコのにおいがプンプン残っている佳品ではあるが、この前までフランクフルト放送響のハンブルク出身のクンストラー・イン・レジデンスだったクリスティアン・テツラフが独奏。本当に鉄裸婦という鋼鉄のようなロマンチックな音でいつも親しまれているが、ここでもやはり同じ音楽が鳴っていた。アンコールは例のここでは最後にヒラリー・ハーンが弾いたバッハのニ短調のパッサカリアではなくて、無伴奏ソナタのアンダンテを弾いていたので疲れが取れた。

休憩の後のマーラー・チクルスの今シーズン最後の第一交響曲は自分はスペインで“やった”ことはあるが、プロの演奏を生で聴くのは始めてである。というのはアマでは昔師の松本喜久雄さん指揮の都民響をGPから本番まで聴いているので生は必ずしも初めてではないのだ。ケルン放送響で知っているにはこの曲は2・3年前に最後に大植さんでたった2回の練習でステージ本番を同じところでしていて、FMラジオで聴いたことがある。

最近この前のショスタコーヴィッチの第一交響曲でも書いたのだか、最近統制が悪いのか金管の小さなミスや不揃いが相次ぐ。特にホルンはかなりほころびてきている。これだとシュトットガルト放送やフランクフルト放送のホルンのレヴェルにかなわないであろう。最後のホルントランペット+トロンボーンの斉唱は座る位置が離れすぎているので一緒に出れない。この指揮者は遅いところでもかなり速い。木管をスコアどおり強調するがそれが余り点数として評価はされにくい。金管は充分に鳴るがこれで当たり前であろう。マーラーといえどもチェコ生まれだが、弦の高音部をもっと精密に合わせて洗練されたやわらかさにまで持っていくには時間が必要なようだ。良い指揮者であるがビエロフラーベックよりも上でもないし下でもない“同じ”指揮者で若いだけというのが特徴かと思う。

 作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 交響曲


日付:2010年07月04日

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