Shigeru Kan-noさん
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本当は全部やる5月1日に行きたかったのだが、その文一回分のチケットだから30ユーロ安くて売出だし前から売れきれ?仕方なく2日間に分けて上演した第一部に行く。超大作ではベルリオーズがその「トロイ人」でワーグナーが「リエンチ」でできなかった様に、分けてやるとヨーロッパではその分チケットが高くなってみんなに嫌われる。ここではいわゆる彼の作った取り巻き用の特殊な(全然特殊でないが)「作曲技法用語」を一切使わないで説明を試みる。
第一場、または第一幕:「光・水−日曜日の挨拶」は生前にドナウエッシンゲンで演奏会形式で初演したものだが当時のチケットは売り切れで早々と退散、時間も無かったのでプローベも見れなくてFMラジオで聴いただけの曲。
事実上のギリシャ風の円形劇場で、演奏家は聴衆の中に入ってやる。演奏3分前の安っぽい電子音楽のファンファーレ、カウンターテナー、客席に寝転んで見る椅子は夏のプールにおいてあるものと同じもの。各席の頭上でもハンモックのダンサーが肉体ダンスを始終やっている。自分の頭上は残念男だった!演奏者は「スターウォーズ」風の衣装でちょっとわざとらしく見える。壁への幻灯機による投影は惑星や宇宙ステーションだが3D風に見える。もちろん楽器の奏者まで暗譜で演技するので準備に金がかかりすぎるが、移動しないときは譜面を読んでも良い。発生の胎児や産まれたばかりの子供風の映像。メシアンの最晩年の管弦楽曲「閃光の彼方に」を思い出す、死が迫ったきつい錯乱した音楽。歌の始終マイクを通すので休みなしで1時間歌ってもそんなに疲れないようだ。最後のスチューワーデス風に水のサーヴィスが演奏中に出る。サーヴィスの良いことはあの昔WDRの放送局でやった一人の聴衆のための床屋風「個室オペラ」のようだ。その分チケット代に反映!とにかく暑いパフォーマンス。58分33秒(ファンファーレ込み)。
休憩中の日本人風の聴衆は英語が多い。多分イギリスやアメリカからわざわざやってきた取り巻き組みであろう。彼らはこういうのにはどんどん金かけて国境を越えてやってくる。この作品の巨大さはワーグナーのような中毒症状。スザンネ・ステフェンは立派なおばあさんになってもう引退で見るだけ、代わって若いカティンカ・パスヴェーアが死後早バラとできたシュトックハウゼン財団の取締りと音楽指導者。ノーノやイサン・ユン財団でさえ10年はかかっているのに!30人ぐらいのオーケストラはクセナキスの「ノモスα」風に聴衆の中にばらばらに散らばる。ペーター・ルンデルの指揮。
第二場、または第二幕:「天使の行進」。寝転んで見るのは眠ってしまうので後ろの普通の椅子に座りなおした。ここでオーケストラが無くなり合唱だけになる。天井のバレエの演技が無くなる。指揮者が国境の電気機関車の様に交換され、ダルムシュタットで打楽器奏者で名を馳せたジェイムス・ウッドに代わるぎこちない指揮。会場が暗いのでほとんどが袖につけた蛍光ペンによる指揮。合唱はSATBみたいに4人ずつ分割されてそれぞれ独立したテンポを取るので、第二指揮者や補助指揮者が必要。その複雑性はあの旧作でやはりここのケルン・メッセで初演された有名な「グルッペン」を遥かに凌いでいる。手違いの無さは長い経験がものを言う。合唱は始終無伴奏で音叉を手にしているようだが、更に隅にシンセサイザー奏者がいてちょっとだけ補助しているようである。それから作られるゾリステン・アンサンブルは事実上の暗譜。顕花の儀式。最後にノッポの軍隊が進入してくる。それでも声だけのオペラは飽きる。49分17秒(ファンファーレ込み)。
第三場、または第三幕:「光・映像」。ここでザールBに移動。このオペラは会場が二つないと演奏不可能なのでオペラハウスからここに移されたわけだ。両方とも1000席余りか?まず入場の前に3D映像用の眼鏡が配られる。一面に水を張ったステージで客のいない一番前に座ったのでもち病の菌類アレルギーが再発。この水の舞台は昔のウィーンのブルク・テアターでのシェークスピアの「嵐」の演出を思い出す。奏者は4人でワーグナーの「ワルキューレ」のように登場人物が少ない「楽劇」、歌、いつものC管ピストン・トランペット、フルート、バスクラリネット。みんなあのクルテンのシュトックハウゼンの講習会での入賞者らしい。全員マイクを通すので歌は1時間近く歌いっぱなしでも疲れないし良く聴こえる。ただし全員長靴を履いて水浸しの演奏。
背景の3D映画は凄い。昔筑波の科学博覧会に3分のこれを見るのに1時間並んだのが嘘のような映像だ。惑星が鼻元にぶつかる、大量の蝶が目」をさする。飛び出す絵本。最近のFMラジオによると自分の出たルートヴィックスブルクの映画大学が創立20年を迎えたが、最近の演奏は3D映像が主流のようだ。じゃないともう映画賞を取れない時代らしい。その間に映像広報のバレエをみせる。最初は水の中のバレエ、その後は火祭りの踊りなど。再び人形のセックスの銅像彫刻。仏陀の映像。最も偉いシュトックハウゼンの直接継承者で音楽監督のカティンカはただ座ってクランググレギーするだけ。4台のヘリコプターを飛ばす子供の様に凄くわがままだったシュトックハウゼンにとっては理想的な舞台であろう。49分50秒(ファンファーレ含む)。
このオペラの10億円とかいったん市当局からキャンセルになったの制作費の高いわけがここでわかった。要するに過剰演出。音楽だけ聴くととても酷くて耐えられないが、これだけ面白い舞台を見せてくれるとそれも難なく付き合える。要するに音楽をごまかすために演出だけに頼っているのか?
作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 交響曲