Shigeru Kan-noさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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マルクス・クリート、ケルン音楽学大学室内合唱団、

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142.6月14日、サンクト・ゲオルグ教会

この演奏会は何時もあの有名な地下鉄工事で壊れて2人が死亡した文書資料館を通っていくがもう2回目である。古いカトリックの教会ではあるが音響だけは抜群であるらしく、何時もこの教会だけが選ばれているらしい。メンバーも今回は完璧で8・8・8・8の総計32人で各声部二人はソリの役割を果たす。この合唱団が「室内」であるわけは、レヴェルの高さから見てすぐわかるが、十中八九音大生の正規の大合唱団からの選抜メンバーである。

最初の曲はパレストリーナの「ミサ・ブレヴィス」である。この曲は音大生をやったことがあるならば西洋音楽史で一番先の方で知識として習う曲目の一つである。自分は夏休みの宿題としてこの曲や「法王マルチェロのミサ」を聴いて感想を書く課題を与えられたが、当時今まで聴いた曲ではなかったのでリゲティのミクロポリフォニーのように常にほんの少しずつ変化する和声感は、そのはがゆい音楽語法について凄く戸惑った経験がある。

その後の作曲技法の対位法でこれを手本にした旋法対位法を習ったのは単にこの種の曲を親しくしただけではなく、現代の作曲技法の発展にに無数に貢献したのに非常に感謝している。

もちろん今では凄く親しい曲ではあるが、昔福島の合唱団が全曲大会に持っていって金賞を貰ったそうにもかかわらず、自分個人の生演奏の鑑賞は初めてである。総本山のバチカンあたりではいまだに歌っているらしいが、4回行っても出会ったのは普通のミサだけでそれに伴うグレゴリオ聖歌風なものだけで、ミサ全曲自体には1回も出会っていない。少なくともローマは宗教音楽の発祥に凄く貢献したとしても音楽の首都では決してありえない。

演奏の方は女声が入っているので相当エロチックであるが、音大の教育の性格上やむをえないだろう。それにしてもこの歌と音響とのかかわりが恐ろしく美しい。

次の曲は拍手も入れないでメンデルスゾーンの詩篇3編作品78であるが、「エリア」や「パウルス」を知っていると、この作曲家の語法のロマン主義の理解はもう既に易しい。各楽章は詩篇2編、43編、22編を取りあげている。

更に次の曲も拍手を入れないでシェーンベルクの合唱曲「地上の平和」作品13.いわゆる「グレの歌」や「ペレアスとメリザンド」の時代様式であるが、無調のピアノ曲作品11よりも後になっている。

こういう曲もプログラムに加えるのは、クリート自身がカンブルランのように単に合唱指揮者ではなくて何でも振る「指揮者」だといってはばからないからであるが、もうそろそろ合唱指揮者として固定してきたと思う。

 作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 交響曲


日付:2012年06月16日

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