Shigeru Kan-noさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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ボンのヒンデミット・オペラ3部作、10月4日

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148. WDR公開プローベとボンのヒンデミット・オペラ3部作、10月4日

何時ものフィルハーモニーの公開練習はノルウェイの客演指揮者のオートランドという若手。目下のところWDRとグリーグの管弦楽曲前CDプロジェクトをしているらしくて、司会の人がそれを1枚見せてちょっと宣伝し、それを一番前に座った子供にあげる。

公開の曲目は「ペール・ギュント」と同じく劇音楽「十字軍の兵士:シグール」から抜粋、作品56の3番、1番、5番を通す。曲はあのピアノ曲の「叙情組曲」全20巻をピアノで弾いてしまったなら全部わかる典型的な北欧の地味な音楽。

夜はボンのオペラ、ヒンデミットの初期の3部作で、この配列からプッチーニの3部作を思い起こされるが、この種の3部作では同じころで若干遅く作られ90歳の誕生日にシュトットガルトで見たクレシェネックの3部作:「独裁者」 Der Diktator 作品49 (1926; UA 1928)、「秘密の王国」 作品50 Das geheime Königreich  (1926-27; UA 1928)、「ヘビー級、または国家の栄光」 作品55 Schwergewicht, oder Die Ehre der Nation  (1926-27; UA 1928)が忘れられない。

今回の3部作は1920年頃作られたものでいわば作曲者の習作時代の作品だが、音楽的にはラベルの初期のカンタータみたいに後期ロマン派一色の音楽ではなくて、既にヒンデミットも個性が伸びている化け物オペラ!オペラ3曲の構成が殺人の悲劇・修道院の宗教オペラ・お笑いのグロテスク喜劇という点では、ほんのちょっと前に作られたプッチーニの3部作と同じであるが、作曲順は2番目が最後で作品番号も一番後の21番であるって、こういう構成が当時の流行であったような印象を受けるが、ヒンデミットを上演前の解説でドイツ印象派というには違和感を感じ、寧ろ使いこなされた用語で即物主義の作曲家というべきであろう。

とにかく第一部は「殺人者・女の望み」、ココシュカの台本、23歳の作品1919年、作品12、後期ロマン派から流れる最大の3管編成。別働隊の金管群はホルン2、トランペットトロンボーン。約25分の作品。1921年にシュトットガルトで初演。

第二部は「聖・スザンナ」、ストラムの台本、宗教印象劇で1921年に一番後からから作曲された作品21、フランクフルトの初演。修道女とキリスト像のセックス。ピッコロ3の別働隊、約25分の演奏時間。

第三部は「ヌシヌシ」、コメディー、1920年の作曲、フランツ・ブライのマリオネットへの台本。CDでは60分の演奏時間だが、実演では65分かかった。セックス、ゴリラと男女のヌードのグロテスク。間奏が長くバレエによるパントマイム。お笑い劇。同じくシュトットガルト初演。作品20.気持ち悪い音楽は作曲者のお得意もの。「画家マチス交響曲」の第三楽章の作曲者が語った「化け物がいっぱい」を思い出す。

歌は全部ドイツ系の歌手を集めて好調、ケルンの「運命の力」より聴けるが、デュッセルドルフの「エレクトラ」ほどの知名度のある歌手はいない。曲が全く違うので事実上比べ物にできない。オーケストラはほぼパーフェクト、すぐライブでCDも可能。

演出のクラウス・ヴァイゼはここのインテンダントなので舞台予算を使い放題。これでヒンデミットの全11曲のオペラのうち半分近く、「その日の新しいこと」と「カルデラック」を通して通算5曲を生で聴いたことになる。

 作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 オペラ∩声楽曲


日付:2012年10月06日

1件のコメント

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このブログ(日記)へのコメント

Shigeru Kan-no

今日はSWRで偶然そのオペラの解説。
CDかけてやっているね。
そこらじゅうにこのオペラが転がっている。
09:05


SWR2 Musikstunde

mit Stephan Hoffmann
"Junge Hure – alte Betschwester"
Die unterschiedlichen Seiten
des Paul Hindemith (1)

Moderation: Stephan Hoffmann

2012年10月09日 02時10分16秒

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