Shigeru Kan-noさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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デュッセルドルフ音大とフィルハーモニーの現代の管弦楽曲

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151. デュッセルドルフ音大のWDR3とケルン・フィルハーモニーの現代の管弦楽曲、11月30日

FM公共ラジオが日中良く音大などから中継することは良くある事である。昔シュトットガルト時代もテアターの物置からバイロイトの歌手とコンサートマスターのインタビューと演奏を生中継した時にに行って無料で見た事がある。演奏はコスト・プローベということで数分以内が大半である。

ドイツの音大はどこをとってもレベルが平均化しているので小さい田舎といえどもそこそこの水準で演奏できる。今回は3時から6時までの3時間の生中継。
学長なども音大関係者のインタビューは音楽家はどこでもPersönlichkeit(特別性)とBeweis(その証明)を探す機関であることを強調。入学試験は約7倍の競争率であることを明かす。

その間の曲はまず始めに最近国祭コンクールに入賞した韓国女性によるジャズとラフマニノフのミックスした曲、次に音大のオケが入ってブラームスの第二協奏曲からスケルツォ。この音大の音が合わないのはどうも地元のオペラハウスのそのままのコピーらしい。地方の街にあってもだらしないとその性格が音大に驚くほど奏法とともに見事にそのまま移るのはドイツの特徴である。

次はチェロ独奏によるコダーイ、この人の国際コンクール入賞者。バーンスタインの歌曲4曲。会場の音大の後ろのプラクティカ・ザールのレンガむき出しなので福島のおんがく堂風に音響が非常に悪い。

それから4時のニュースによる休憩を挟んで、ヴォカール・カルテットでオーストラリアの作曲家のを3曲、次が天井に設置してある小さなオルガンでキムとかいう韓国人でパッヘルベル。ピアノ・トリオでメンデルスゾーンの1番とほとんどが韓国人の学生が占めるが、次のシュトックハウゼンの「7つの日々」からの即興はヴァイオリン2、ファゴット打楽器ピアノで東洋人には絶対できないドイツ人しかできない代物、ディネスクも同じ。最後のギター独奏はパガニーニでヴァイオリンのように難しく速い曲。

その間にドイッチェ・オーパーのインテンダントのインタニューが入り売れるような必要な人材をアピール。これで5時のニュースで、次のケルンのコンサートに遅れるから退散だが、プログラムを見ると打楽器合奏やジャズなどが控えているらしい。

夜のコンサートはフィルハーモニーでこれも何時ものWDR主催の初演。7時に解説があって出てきたのはフランスの作曲家のウーゲ・デュフォーのみ。かなり聞き取れる様になったフランス語だがコルネリア・ヴィットマンが丁寧に通訳、スペクトル学派の最後の生き残り、テーマが世の終わりのカタストロフだが、実質は大きな絶対管弦楽曲によるピアノ協奏曲。

8時からの本番もFMラジオ生中継。最初のヤナーチェクの「死者の家」組曲は3楽章あるが何の都合か序曲のみ。こういうつまらないのを入れるのは前回同様聴衆対策。

次がデュフォーのピアノ協奏曲「On the wings of the morning」は4管編成でトランザクション・クラングによるスペクトルの書法は世の終わりの大津波を暗示する。4444−6441−2Tp(10個)、4P,16型の弦楽合奏の25分は久しぶりにまとまった内容の曲を聴かせてもらった。

休憩には上のロビーにAnders Pianoを展示。これは普通のピアノじゃないという意味でステファン・フィリッケの企画と考案。ダルムシュタットの貸し出しも含めてAsahiピアノとか日本製かと思ったらシークフリート・クラカウアー製作のドイツ製のおもちゃやDas Klavierシリーズ、トイ・ピアノ、アップリケ、テレフォン、Kinderklavier,分解なども入る。カーゲルの「シュターツ・テアター」、ケージのトイ・ピアノの実演、ヴィースバーデンのフルクサス音楽祭の風景でピアノの破壊、フィリップ・カーマーのピアノ・ウォーク、ベートーヴェンのソナタの自筆譜、モーツァルト・クーゲル、パスカル・メルシエのDer Klavierstimmer,エリーゼ・ラスケ・シューラーの私の青いピアノ、ウォルフガング・ショラゥの燃えたピアノ、マーガレット・シェルフの金色のピアノピアノの羽はアフリカ大陸の形、ジョージ・ブレヒトの3つのピアノ曲:Standing/Sitting/Walking,上海ピアノ、ロビン・ページのKein Klavierevent,ゲルハルト・リュームのMusikは斧でピアノを切る、ナム・ジュン・パイクのDas Klavier ist ein Tabu,Es muss gestört werden. フォルカー・ハインの釣られたピアノは当時ダルムシュタットで有名だった。ジョエ・ジョーンズのピアノの太鼓、グンター・ウーケンの針ピアノ、ラモンテ・ヤングの草ピアノ、パイクのブラジャー・ピアノ、ケージのピアノ・サンドイッチ、ヨーゼフ・ボイスの枯れ葉ピアノ、パイクの原始ピアノ、ヨハネス・シスターマンの感性ピアノ、レベッカ・ホルンのコンサート、ベン・ヴォティエールのアーツ/ピアノ、ウォルフ・ヴォステルのフルクサス・ピアノ、などはすべてオブジェの美術品である。BACH-CAGEの音列はこれからでも何かに使えそうだ。

結局のところこういう面白い意企画の後のジョナサン・ハーヴェイの今回のォ音楽祭のテーマであるSpeakingsという3管の管弦楽曲はつまらなかった。ライヴエレクトロニックも少しでこれじゃ無くとも大丈夫。第一ヴァイオリンは気分が悪いのか音が酷すぎるのか始終耳を抱えたままやっと最後に少しだけ演奏の辛い28分間だった。

 作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 オペラ∩声楽曲


日付:2012年12月02日

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