Shigeru Kan-noさん
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の16
よく「いっぱい食べないと、・・・(小原 なお美さん)
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本当に効
果がある
のか確認
して・・・
https://www.fs・・・(小原 なお美さん)
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コンサー
ト
友人と行くつもりのコンサート・・・(nyankoさん)
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Ito_orc
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ピアノ20年ほど習ってました・・・
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ミルキー
さん
自分では楽器は演奏でません。・・・
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ユウさん
はじめましてユウです。ピアノ・・・
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【来日4
0周年記
念】ミシ
ェル・・・
現代フランスを代表する巨匠ピ・・・(Ito_orcさん)
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シャルル
さんのお
墓参り
令和5年2月20日にシャル・・・(歌の翼さん)
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アトリエ
アルファ
横浜にある木管楽器専門店です・・・(星のジュウザさん)
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紙屋信義著、自分流文庫 ISBN 978-4-938835-63-7 ¥1500+税
ある理想主義に燃え、原発事故を過敏に反応しすぎてしまったオルガニストの失敗談。生い立ちから留学、日本へ戻っての就職、震災後の再度のドイツへの移住、更なる日本への帰国と再就職にかけて書かれているが、その順序は必ずしも年代順ではなく若干把握しにくい。それでも最後にそこで学んだことは明確で普遍的な人生哲学でもあることが良く整理されている。そこで払った代償は必ずしも安くはなかったが、土壇場のところでいろんな運もあり、本人にとっては非常に価値のあるものであろう。
一般論で言えば福島の放射能はもちろん体への影響は0ではないが、かと言って東京の住民まで逃げ出すほど深刻でなものではないと思われても、仕事への関わりからかなりの重大な影響を受けてしまったらしい。今でも福島の住民が飛行機で受ける数分の1の放射線を受けながら特に病気が多くなったわけでもなく、大半が逃げ出さず普通に平和に暮らしている場面から見るといかにも極端な行動ではあるが、そのことへの背中を押したのは最初の留学時のとても幸せなドイツの学生生活の思い出があるのは確かである。
しかしながら現在の日本よりも極端に厳しいドイツの就職活動は無視できなく2年間もの長い滞在ヴィザがありながら4か月で帰ってしまったのもうなづける話ではあるが、せっかく挑戦したのだから2年間は頑張ってほしい思いと、年齢を考えるとたった4か月で帰った行動も賢いと言わざるを得ない相矛盾した選択肢が常に交差する現実が見えてくる。
生い立ちの部分は状況は違っても誰にでも良くある話ではあるが、日本人は普通隠してしまうのであまり出てこない貴重な話の一部である。こういう話は今自分はどういう環境で育ち今立っているのかなかなかわからないものが、第三者からの目で見るとそんなに珍しい問題家庭でもなくかなり普通に見えるのは自分だけか?
ただ著者が最初は作曲家や指揮者志望だったのにオルガンに行ってしまったのはあまりよくわからないが、最近作曲したと聴きネットに乗せてはいるものの、批判したくない立場ではあって聴くのがちょっと怖いのは自分だけかとは思ってしまう。と言うことでまだ聴いてはいないが、譜面だけの方なら一目瞭然なのですぐ見ていたと思う。
奥さんの彼女に関しても万能とはゆかなくとも、著者の欠けてるとこを良く補ってくれることで最適の存在であるには変わりないと思われるので今後の復縁を願いたい。
しかしデュッセルドルフの弁護士料の5000ユーロは高すぎると思われた。非常に腕が良くてもそれで4か月の滞在は割に合わない。やる人は3か月の合法滞在に加え1か月の旅行滞在か不法滞在で済ましてしまうだろう。家族を置いてきて現地での適応は早くとも大学まで行かせるようだが、日本の就職にはまだまだ不利なものと思われる。親の一存で娘たちの人生を決めていいものかここで少し疑問が湧いてしまう。
ある優秀なオルガニストの人生失敗談として後進の留学希望者には読んでおいて相当参考になる書物ではあるが、人生・金銭運にも相当助けられていることは書き添えなければいけない。あとがきは少し長すぎるきらいはあるかもしれない。そこで得た教訓は繰り返すにしても、もっと上手く洒落て言い換えられたらこの本はもっと価値を増すのではないかと思われる。
作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 オペラ∩声楽曲